どこから歯車が狂い始めたのか......?
 掘ったばかりの地下壕で空爆に耐え、塹壕のぬかるみは踝まで達する中侵略者を撃つ。食糧や砲弾は常に不足しており、戦友を弔うことすらままならない。
 我々少年が抵抗するほど戦況は逼迫しているが、政府はこちらを援護できないほどまで疲弊している。我々が投降すれば、皆殺しにされることは確実であろう。

 なぜこうなったのだ?あの日、あの月、あの年までは何不自由ない生活を送れていたはずなのに。