放課後私が向かうところはただ一つ本屋だ!と思っていた時の自分に言ってやりたい、今の私は全然幸せじゃないんだって。
なんでまたやり直さないといけないのかな。
ほんと悲しすぎだろ、まぁ、やるって言ったしやらなきゃな。
私はそんな気分を抱えながら教室のドアを開けた。そこには晶がいた。今日もいい笑顔ありがとうございます!この尊さ、可愛すぎる。
「あ、紗織ちゃん!ヤッホー!一緒に部活行こ!先輩達には昨日僕から言っといたよ。」
昨日か、結局あれはなんだったんだろうか、よく考えるとパパには話をすり替えられていいことを言われたから信じただけと思ってきた。
だから、まだ晶が白確定とは言えないのだ。
まぁ、考えてても仕方がない。バレー部頑張るか!
「ああ。ありがとう。行こっか。」
そういい、2人で体育館に向かった。
そこには私と同じクラスの子と晶のクラスの子の2人の女の子がいた。誰だろう。私の表情を見たのか横から晶がこっそり教えてくれた。
「あの2人は新入部員ね。仮入部飛ばしてもう入りたいんだって。昨日、紗織ちゃんが帰った後に来たんだ。」
新入部員か、私と同学年か。
『お前のせいだお前のせいで先輩達は試合に出れないんだ。少しは遠慮しろよ。』
不意に昔のクラスメイト兼元チームメイトの言った言葉を思い出した。
「そ、そうなんだ。」
なんか気まずいな、どんな子だろ。
「あ、私涼!よろしく!こっちが、、、」
「美羽だよ!よろしくね!えっと、」
「紗織だよ!さおりでいいから。」
「「りょーかい!」」
「集合!一年生もこっちにきて。」
晶が昨日言ってきた部長が体育館にきてみんなに向かって叫んだ。
私たち4人も部長の元に向かった。
よく見ると昨日いなかった先輩達がちらほらいた。
「よし、今日から新入部員が4人入る。残念なことに4人だ。今年は少ないな。まぁとりあえず、入ること確定の紗織、美羽、涼、それとマネージャーの晶、前に来て自己紹介して。」
「チッ。」
先輩が私たちの名前を呼ぶと舌打ちが聞こえてきた。
まぁ、そんなことはどうでもいいけどね。
なので、私達4人は前にでて自己紹介をした。
「じゃあ最初に紗織からお願い。」
「はい。櫻ヶ丘中学校出身新山紗織です!ポジションはWS(ウィングスパイカー)です。得意なのはサーブです。よろしくお願いします!」
「次、晶!」
「はい、えっとマネージャーとして入る瀬戸口晶です。紗織ちゃんと同じ、櫻ヶ丘中学校出身です。マネージャーの仕事は意外と上手くこなせます。なので、困ったことがあったらいつでも頼ってください。知ってる方も多いかもしれませんがまた、改めてよろしくお願いします!」
知ってる方?やっぱり、晶知り合いなのかなぁ。最近の晶何にも教えてくれないからな。
「じゃあ次、涼!」
「花宮中学校出身桜葉涼です!ポジションはMB(ミドルブロッカー)です!得意なのはブロックです!よろしくお願いします!」
「次に美羽!」
「ひゃい!あぁ、間違えました。はい!」
「元気な返事ありがとう。」
この場にいるみんなが笑ってしまった。
「改めて、花宮中学校出身岡部美羽です!ポジションはS(セッター)です!得意なのはサーブです!よろしくお願いします!」
花宮中か、たしか、去年県大会まできてたよな。準決勝で敗れたんだっけな?勝ってたら私のチームと決勝であたってたのにな。
まぁ、決勝は私がサボって結局準優勝だったんだけどね。
「私がこの白蘭高校部長の永瀬糸だ。よろしくな。じゃあ3年から、、、」
先輩達はみんな自己紹介をしてくれた。
先輩達は私たちを暖かく認めてくれた。人もいれば睨んでいる人もいる。
とりあえず、入っちゃってたもんは仕方がないから楽しもう!
それからというものの私は気がつけばいつも涼、美羽、晶の4人で行動をしていた。
私と美羽が1組で晶と涼が2組でクラスは別れとしまったが、体育は同じだし、よくみんなでお昼を食べるのが日常になっていった。中学生の時の自分では考えられない、光景だ。こんな気持ちになるなんて初めてだ。こんなふうに笑える仲間がいるなんて私は幸せ者だな。
それからは、私はもか先輩達に悪口を言われても前を向く理由となる2人がいるおかげ練習に励むことができた。
区大会は残念ながら3人ともベンチで試合には出ることができなかった。ちなみに私は8番、涼が12番で美羽が13番。それも15人いるなかのね!だから意外といい番号を取れたんだ!そして私たち白蘭高校はみごとに区大会では優勝をし、市大会に進むことができた。
市大会のために向けた練習1日目、みんなで楽しく練習をして終わりだけじゃなかった。突然3年の住川先輩が手指を骨折してしまった。
大会までの2週間で治るわけがない。だからみんなの今考えてるのはひとつだけ。誰が代わりに出るかだ。住川先輩は、レフトでウィングスパイカーの凄腕だ。監督から発しられた言葉は
「住川の代わりは遠山がやれ。一応いうけどなこれは俺の命令とかではないぞ。住川自身が決めたことだ。」
わたしぃぃぃぃぃ!?本当はやだけど住川先輩だってやなはずだ。なら、頑張んなきゃだよね。
その時、もか先輩達がどんな顔をしてるか浮かれてた私に言ってあげたいな。
こんなんじゃ、終わらないよって顔をね。
私たち白蘭高校は結局決勝で負けて、準優勝で終わってしまった。それは、私が最後サーブミスをしてしまったからだ。
先輩達は気にするなと言ってくれた、もちろん涼と美羽もだ。私も気にするなと言われたけれど、やっぱり気にしちゃう。
「紗織ちゃん!紗織ちゃんのせいじゃないよ。しょうがないことだよ。全然練習できてなかったんだから、紗織ちゃんはやり切ったよ。頑張った!自信を持って!」
なんで、晶が涙流してるの?私はもう大丈夫だからね。
「晶、ごめん!なんか、晶の可愛いところ見ていたら切り替えられそうかも。ありがとね。」
ありがと、晶!
私って晶に助けてもらってばかりだな。晶が私の隣にいてくれてよかった。