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今日もまた、朝日が昇った。僕は朝ごはんを食べ、制服に着替えてから家を出て学校に向かう。いつもどおりの彩りが、僕の視界を埋めている。
外の世界は、一面の雪景色が広がっていた。雪の隙間からは花壇に植えられた鮮やかなパンジーが顔を出している。
「碧おはよ」
「おはよ。今日も寒いね」
クラスメイトと合流して、学校までの道を歩く。友人と話すその時間が、僕にはかけがえのない人生の一ページになっている。
通学路を歩いている途中、同い年くらいで僕より頭一つ分くらい低い身長の人が僕の横を通り過ぎていった。なぜか無性に気になって後ろを見ながら歩いていると、石につまずいて転んでしまった。「大丈夫かよ」と心配顔の友人には適当に笑っておいて、僕はその人の行く先をひたすら視線で追っていく。
「ほら、行くぞ」
友人の声でやっと頭を切り替えることができた僕は、立ち上がって制服についたほこりをはらった。
「ていうか碧が元気になって良かった。この間まで色々あったから」
「ほんと。迷惑かけてごめん」
「大丈夫だって。でも、人生っていつ終わるかわかんないね。僕も碧のことで毎日大切にしなきゃって思った」
「そうだね」
友人の言うように、僕達の人生がいつ終わるかなんて、そんなの予測不可能だ。きっと神様だってわからないだろう。
けれど、そんな人生を少しでも楽しむために、
「僕は、今日も歩いていく。」「私は、今日も歩いていく。」