様子を察して、メイソン様がお茶を用意するよう頼んで下さり、皆様、気遣ってくださったのか席を外して下さいました。

温かい紅茶を飲んでホッと致しました。

『ソフィー疲れちゃったみたいだね。』
そう言って、ランディ様が、頬や髪を優しく撫でて下さいます。なんだか安心しました。

『せっかく選んで下さっているのに、慣れなくて…、ごめんなさい。』

『気にすることないよ。ちょっと休んだら、もう少し付き合って。』

『はい。』

後は、今日の目的の婚約指輪のデザインのみ、だと思っていましたら、お茶を終えたランディ様が、
『真珠の髪飾りと、イヤリング、ネックレスを見せて。』
と爽やかに仰いましたので、ひっくり返りそうになりました。

『北の辺境地に行ったら、ソフィーは、普段
外に行く時は、聖女の服を着るでしょ。』

『ええ。今までそうしていましたから、そうするものと思ってました。違う方がいいですか?』

『龍の巫女だって早く認知して貰うにはその方がいいし…、慣れた服の方が動きやすいでしょ。』

『はい。』

『だけど、ちゃんと僕の花嫁だとも認知して貰わないといけないからね。
聖女の服に、ゴテゴテした宝石は似合わないからね。僕が贈った真珠の宝飾品をつけてね。』

『わかりました。』

(なんだかんた言って虫除けじゃな。ランドールは、独占欲が強いな。)

頭の中に呆れたようなハルの声が聞こえてきました。

なんだかランディ様が可愛らしくて断るなんてできませんし、ランディ様の色の物や選んでくれた物を私も身につけて居たいと思うので…、嫌では全くありません。

むしろ、そうしていたら、ランディ様の大切な人になった気持ちがするんじゃないかと、それはどんな気持ちがするものだろうと胸が高まります。

お買い物は、疲れましたが、ランディ様の印をつけて過ごす日々が来るのが楽しみな気持ちで一杯です。