オリビア様が人払いをして下さり、昨日、起きた出来事を一通りお話ししました。
と言っても、話していたのは、殆どランディ様とハルですが…。

話しを聞きながら、色々、思い出して、本当に、沢山のことが起きた一日だったとあらためて思いました。

一通り話しを聞き終えると、オリビア様は、私の家族に大変憤慨なさいました。

私や家族のことで、この様な思いをさせてしまった申し訳なさと有り難さの混じった複雑な気持ちがしました。

『今まで本当に大変だったのね。ソフィア。
過去は変えられないけど、その分も、これからは、うーんと、幸せになったらいいわ。

そうだわっ。もうソフィアは、私の娘。

神力がたまって本来の力を取り戻すまで、ここに居てゆっくり過ごすといいわ。

そうと決まったら、ソフィアの部屋の用意をさせないとね。それから、世話をする侍女もいるわね。それと…』

『母さん。ちょっと待って‼︎』

『なに?』

『ソフィアを気に入ってくれたのは、嬉しいですが、ソフィアは、僕と一緒に、辺境地に連れて帰ります。』

『え〜‼︎あんな僻地に直ぐに行かなくたって暫くここに居てゆっくりしたらいいじゃない。』

『僕は結構、忙しいんです。』

『せっかく、娘ができたのに、すぐ別れるなんて寂しいわ。忙しいなら、ランディだけ先に帰ったらいいじゃない?』

『花嫁に出会ったのに、別れるのは、嫌です。ソフィアは連れて行きます。』

『私だって娘がやーっとできたのよ。離れるのは寂しいわ。』

『我慢して下さい。』

『そんなあ…。ランディ独り占めはずるいわ。そうだ。ソフィアはどうしたいの?』

『私なんかにそんな風に言って頂いて…、とっても嬉しいんです。本当に凄く嬉しいんですが…、ランディ様と一緒に居たいです…。
とっても歓迎して下さっているのに…ごめんなさい。』

(申し訳なさ過ぎて居た堪れない気持ちになってきました…。私には、過ぎるほどのお話ですのに…。)

『あら、「私なんか」なんて言っちゃダメよ。ソフィアは、このスペンサー家の大事な娘なんだから。

すっごく残念だけど…。そんなに謝ることはないわ。ソフィアの気持ちはわかったわ。
仕方ないわね。』

ランディ様がホッとなさるのがわかりました。

『母さん、済まさないといけない要が色々、ありますので、これからソフィアと出掛けてきます。』

『そうでしょうね。でも、夕食迄には帰ってらっしゃいね。ソフィアがここに居る間は、一緒に食事がしたいわ。』

『わかりました。ちゃんと夕食迄には戻って来ます。』