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突然、バンッと大きな音を立てて扉が開きました。

『ランディ。花嫁がみつかったって本当?』

凄く綺麗な金髪の女性が部屋の入り口に立っています。

『あっ‼︎この子ね。』

私を見つけてコチラに凄い勢いで向かってきたと思ったら、ワシッと両脇を持たれ立たされました。そして、ギュッと抱きしめられました。

(胸が…、豊満な胸が顔に当たってます…。同性でも、恥ずかしいです…。どうしたらいいんでしょう…?それに、なんか昨日も似たようなことがあった気がします…。)

抱きしめる腕が緩み、今度は、両肩を持たれたと思ったら、体が離れました。

思わず見上げたら、

『まあ、真っ赤。可愛いわっ。』

綺麗なお顔が寄ってきて、頬をスリスリされています。いい匂いがします。一体何が、起きているのでしょう…?

横から、腕を引かれてよろけたら、ガシッと後ろから、抱きしめられました。あっ、ランディ様の匂いがします。

見上げると、ランディ様の眉間に皺が寄っています。

『母さん、ソフィーがビックリしています。いきなりなんですか‼︎』

(母さん…⁇……えっ‼︎この綺麗な方…、ランディ様のお母様なの?…頬スリスリは龍神族の挨拶でしようか⁇)

『だって〜。ランディに花嫁が見つかったって聞いたらじっとしてられないじゃない⁉︎会いに来たら、こんなに可愛いんですもの。抱きしめたくなるじゃない?』

『ソフィアは可愛いので、気持ちはわかりますが、するかどうかは別です‼︎ソフィアは、僕の花嫁です。』

(会話の内容が大変小っ恥ずかしいのですが…、一体何が起きているのでしょう?)

『あら、ランディの花嫁は、私の娘よ。抱きしめたっていいじゃない?』

『ダメです。』

『独占欲が強いと嫌われるわよ。』

『うっ‼︎』

ランディ様の抱きしめる力が緩みました。

『あ、あのう…。ランディ様のお母様でしょうか?』

『ええそうよ。』

『わ、私、ソフィア・ガパトーニと申します。昨日、こちらに泊めて頂きました。挨拶もせず、申し訳ありません。』

『ランドールの母のオリビア・スペンサーよ。きっとランディがソフィアと離れたくなくて、連れて来たんでしょ。気にすることないわ。
それよりも、ソフィア話がしたいわっ。一緒にお茶をしましょう。』

『あっ。はい。』