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パーティ会場から出て、今、馬車に乗っています。

王様に、王宮に部屋を用意して頂いたので、今日は、その部屋に泊まる予定でした。

それが、思い余って、思いをぶつけるように告白してしまったものだから…、
(自分でしておいて変ですが、告白しただなんて…自分で言うの…恥ずかしいです…。)

ランディ様が、
『あんな風に、「側に居たい。」って言われちゃったら、もうソフィアを王宮に置いて行けないから、王都にあるスペンサー本家においで。』
と馬車に乗せられしまいました。

そして今、座席に座るランディ様の膝の上に、ちょこんと座らされ、ランディ様に後ろから抱きしめられ、頭に顎を乗せられたり、頬に、頬をスリスリされたりしています。

なぜそうなったかと言うと、最初は、ひょいっと抱き上げられて、ランディ様の足の間に、座らされたのですが、身長差が30センチとあり過ぎて、
『高さが足りないから、ソフィーはココね。』
と、またもや、ひょいっと持ち上げられて、膝の上にちょこんと置かれてしまいました。

『重いと思いますし、その…恥ずかしいので、下ろして貰えませんか?』

『ダ〜メ。』

『ダ〜メって…。なんでダメなんですか?』

『ソフィーが足りないから充電。
ソフィーは、いい匂いがするね。美味しいそう。はあ、可愛い。』

と言うことで、引き続き、撫で撫で、スリスリされています。

どうしたらいいのでしょうか…?

『ソフィー。僕が何処に住んでいるか?知ってる?』

『えっ‼︎北の辺境地ですよね?』

『知ってたんだ。』

凄く嬉しそうです。こういう時のランディ様は、人懐っこい大型犬の様です。
凄く可愛らしいです。

『アリシアが、ランディ様が好きで…。
色々、ランディ様の噂を聞いてきては話してましたから。』

(私にではなく義母にだけど…。)

『ソフィーは好きじゃなかったの?』

『お会いしたことがないし…。龍神の方の噂話って、現実離れしていて、御伽話みたいに聞こえていて…。好きとかそういう身近な感覚は持てなかったです。』

『そうなの?残念だな。今はどう?』

『……好き…です…。』

今日、ずっと、こんな感じでなんだかんだと上手に、色々、言わされてる気がします…。

『声が小さくて聞こえなかったな。もう1回言って欲しいな。』

『……もう無理です。恥ずかしいです。』

『…可愛いね。ソフィー。』

『あんまり揶揄わないで…下さい。』

『揶揄ってはいないんだけど…ね。恥ずかしがり屋のソフィーには刺激が強かったね。ごめんね。』

そう言って頭を撫でてくれます。