何組かの挨拶が済んだ頃、やっと、ノア王とエマ王妃が、会場に、入って来られました。

ノア王が会場内の皆様に挨拶を述べた後、今日、行われた聖女認定式では、結果に疑問が出た為、再度、魔力判定を行うことになったため、予定していたアリシアの聖女のお披露目は、中止にしたと報告されました。

それとは、別に、龍巫女が新しく見つかり、 皆にお披露目したいと私の名前が呼ばれました。

いよいよだと緊張して思わず、ランディ様を見ると、
『大丈夫だかね。きっとうまくいくから、落ち着いて行っておいで。』
と励ましの言葉を下さいました。

覚悟を決めて足を踏み出します。

ノア王の前まで、行くと、手を取って下さり、横に、並んで、龍巫女のソフィア・ガパトニーと紹介して下さった後、

『この度、龍巫女に認定されましたソフィア・ガパトニーです。
何ができるかわかりませんが、国の発展や、国の民の健やかな生活のために、できることをしていきたいと思います。宜しくお願いします。』
と簡単に挨拶させて頂きました。

最後に、ノア王が、
『これからの活躍に期待しているよ。』
と言葉を掛けて下さいました。

何ができるかわかりませんが、身が引き締まる思いがしました。

その後、王、王妃、ランディ様と並んで、列が途絶えるまで、一瞬に、挨拶をさせて頂きました。

パーティに参加させている方々の前で、龍巫女として紹介され、挨拶には、ランディ様も同席しているので、龍巫女として、純粋な信頼を向け、好意的な挨拶をして下さる方も沢山いらっしゃいましたが、

女性の方の中には、ランディ様の花嫁になるのでは?と、嫉妬やら怒りを向けられたり、上から下まで不躾に品定めされたり、

男性の方には、龍の力を利用できないかという目で品定めされたりもし、

かなり心が疲れましたが、ノア王やランディ様がさりげなく庇って下さったり、ハルが、私の代わりに、頭の中で、毒づいて茶化してくるので、煮詰まることなく、なんとかやりきれました。