ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。

目覚ましの音が嫌いになったのは、いつからだっただろうか。

ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ。

目を開けると、カーテンの隙間から射す朝日の眩しさに、思わず顔をしかめる。

ピピピピピピピピピ-------------------------------------・・・・・・・・・・・・・

急かすようにだんだんリズムを早める目覚ましを止め、ベッドから出たとき、ふと足元に気配を感じた。その気配の正体に手をのばす。みゃーお、とそれは可愛らしく鳴いた。

「かわいいねえ、おまえは」

白い毛並みを優しく撫でると、気持ちよさそうに目をつぶった。
カーテンを開けると、向かいの空き地に白いたくさんの小さな花がこれでもかと咲き誇っていた。

こんな花、咲いてたっけ。
一瞬彼女は首を傾げた。しかしすぐにカーテンを閉めると、慌てて出かける支度を始めた。
遅刻なんてするわけに行かない、とベッドを整え、ヘアアイロンがあたたまるのを待ちながら彼女は一人呟いた。
なんてったって今日は、めでたい日なんだから。
きっと、素敵な一日になるに違いない。そうでしょ、と傍らの猫に話しかける。

猫は、彼女の言葉に応えるかのように、みゃお、と小さく鳴いた。