問題.とあるスミスが言いました。
「1から5番までの工具を持ってきてくれ」
それを聞いたお弟子さんは、しかし工具を3つしか持ってきませんでした。
いったいなぜでしょう?
「さて、そろそろ制限時間です。みなさんよろしいですか?」
「スミスってだれやねぇーんっ!?」
>>草
>>アネゴwww
>>わかった
「では時間です。解答を見ていきましょう。一斉にどうぞ! ……アネゴさんのこれは、えーっと?」
「書いてあるとおりだよ。お弟子さんには手が2本しかなかったから!」
「普通の人間は2つしかねーよ! それに、えーっと、工具は3つですよね?」
「3つめは口に咥えてきたんだよ! これ正解じゃない? どうっ? どうっ!?」
>>ある意味、天才的www
>>これはアネゴwww
>>その発想はなかったわwww
「なるほど。……なるほど? えー、さて。とんでもない解答がきて我々出題陣も困惑しております」
「おいっ!」
「模範解答ならぬ模範誤答としては、お弟子さんが忘れてきたとか、途中で落っことしたとかを考えていたのですが」
「ちなみにオレは初見、スミスさんの目が悪かったからだと思ったっすね。こーやって、乱視? で5つある工具が重なって3つに見えた、みたいな?」
「失礼しました。こちらにもバカがひとりいました」
「おいっ!」
「では最後にイロハちゃん、そちらの解答について説明していただいてもよろしいですか?」
「えーっと、正解は……『one to five(1から5)』を『one two five(1、2、5)』と聞き間違えたから、だと思います」
「見事、正解です! 拍手~! 最初に出ていた『スミス』というのは人名ではなく、英語で『職人』を意味していたんですねー。そのヒントに気づければ正答できたのではないか、と思います」
>>これは良問
>>おもしろいなw
>>今回イロハちゃんいるからか外国語の問題多めやな
「では最後は早押し問題です」
* * *
問題.虹の外側にもうひとつ、色が逆順になった虹ができることをなんと呼ぶ?
「こちらの問題、難問となっております。しかし大喜利をすると正解しちゃったりするかも? 誤答ペナルティはないのでどんどん――はい、イロハちゃん!」
「24時から2時を引いて……二重虹(22時)!」
「正解です!」
>>なんて?
>>これはうまい
>>早ぇーよwww
「こちらご存じでしたか、イロハちゃん?」
「はい。あとは副虹……”ふくにじ”とか”ふくこう”とか、二次の虹とか呼んだりもしますね。英語だとダブルレインボーと言います」
「あっ。……えーっと、では解説担当さんお願いします」
「もうねーっすけど!? 今、全部言われちゃったんですけど!?」
>>草
>>ワロタ
>>うごご……解説とはwww
「イロハちゃん、ちなみにほかにも解説やウンチクはあったりしますか?」
「えっ、ほかにですか!? えーっと、虹そのものは、英語で雨に弓と書いてレインボー、日本語だと空に弓と書いて天弓、フランス語でも空の弓と書いてアルク・アン・シエルと言います。有名な日本のバンド名はこれに冠詞をつけたところから来ているそうです」
>>へぇー
>>知らんかった
>>それは知ってた
「本当にウンチク出てきちゃったよ。イロハちゃんすごいねーキミ」
「オレたち逆だったかもしんねぇ」
>>草
>>せやねwww
>>これで次回、入れ替わってたらマジで笑うわwww
「というわけですべての問題が終了しました。結果発表とまいりましょう。今回のクイズ企画、優勝者は――」
そんなわけで俺は見事にトロフィーを獲得した。
といってもただの演出で、実際に賞金や商品があるわけではないのだけど。
* * *
――と、思っていたら後日。
俺はクイズバラエティの主宰からメッセージを受け取った。
『次回以降、解説役としてクイズ企画に参加しませんか?』
そういうことになった。
なんでも解説役をしていたVTuberが、前々から解答役をやってみたいと希望を出していたそうだ。
そんな中での俺の登場はすごく都合がよかったらしい。
そうして俺ははじめてのレギュラー番組を持つことになった。
……ちなみに。
あー姉ぇがダントツのビリで、珍回答賞をもらっていた。
彼女自身は非常に不服そうだったが、当然の結果だよ!
* * *
そんなこんなで、クイズ企画で解説レギュラーを務めるようになってしばらく。
俺は新衣装のお披露目配信を行っていた。
>>これは妖精
>>いや、お遊戯会の木の役だろ
>>待て、これはきっと俺との結婚ドレスに違いない
「ちっげーよ!」
当然のように新衣装のシルエットクイズがはじまってしまった。
まぁ、お約束というやつだ。
トゥイッターに投稿されていた大喜利なイラストを紹介し、いよいよ大詰め。
俺は新衣装のデザインをチラ見せさせていく。
さて『翻訳少女イロハ』の新衣装とは……!?
「1から5番までの工具を持ってきてくれ」
それを聞いたお弟子さんは、しかし工具を3つしか持ってきませんでした。
いったいなぜでしょう?
「さて、そろそろ制限時間です。みなさんよろしいですか?」
「スミスってだれやねぇーんっ!?」
>>草
>>アネゴwww
>>わかった
「では時間です。解答を見ていきましょう。一斉にどうぞ! ……アネゴさんのこれは、えーっと?」
「書いてあるとおりだよ。お弟子さんには手が2本しかなかったから!」
「普通の人間は2つしかねーよ! それに、えーっと、工具は3つですよね?」
「3つめは口に咥えてきたんだよ! これ正解じゃない? どうっ? どうっ!?」
>>ある意味、天才的www
>>これはアネゴwww
>>その発想はなかったわwww
「なるほど。……なるほど? えー、さて。とんでもない解答がきて我々出題陣も困惑しております」
「おいっ!」
「模範解答ならぬ模範誤答としては、お弟子さんが忘れてきたとか、途中で落っことしたとかを考えていたのですが」
「ちなみにオレは初見、スミスさんの目が悪かったからだと思ったっすね。こーやって、乱視? で5つある工具が重なって3つに見えた、みたいな?」
「失礼しました。こちらにもバカがひとりいました」
「おいっ!」
「では最後にイロハちゃん、そちらの解答について説明していただいてもよろしいですか?」
「えーっと、正解は……『one to five(1から5)』を『one two five(1、2、5)』と聞き間違えたから、だと思います」
「見事、正解です! 拍手~! 最初に出ていた『スミス』というのは人名ではなく、英語で『職人』を意味していたんですねー。そのヒントに気づければ正答できたのではないか、と思います」
>>これは良問
>>おもしろいなw
>>今回イロハちゃんいるからか外国語の問題多めやな
「では最後は早押し問題です」
* * *
問題.虹の外側にもうひとつ、色が逆順になった虹ができることをなんと呼ぶ?
「こちらの問題、難問となっております。しかし大喜利をすると正解しちゃったりするかも? 誤答ペナルティはないのでどんどん――はい、イロハちゃん!」
「24時から2時を引いて……二重虹(22時)!」
「正解です!」
>>なんて?
>>これはうまい
>>早ぇーよwww
「こちらご存じでしたか、イロハちゃん?」
「はい。あとは副虹……”ふくにじ”とか”ふくこう”とか、二次の虹とか呼んだりもしますね。英語だとダブルレインボーと言います」
「あっ。……えーっと、では解説担当さんお願いします」
「もうねーっすけど!? 今、全部言われちゃったんですけど!?」
>>草
>>ワロタ
>>うごご……解説とはwww
「イロハちゃん、ちなみにほかにも解説やウンチクはあったりしますか?」
「えっ、ほかにですか!? えーっと、虹そのものは、英語で雨に弓と書いてレインボー、日本語だと空に弓と書いて天弓、フランス語でも空の弓と書いてアルク・アン・シエルと言います。有名な日本のバンド名はこれに冠詞をつけたところから来ているそうです」
>>へぇー
>>知らんかった
>>それは知ってた
「本当にウンチク出てきちゃったよ。イロハちゃんすごいねーキミ」
「オレたち逆だったかもしんねぇ」
>>草
>>せやねwww
>>これで次回、入れ替わってたらマジで笑うわwww
「というわけですべての問題が終了しました。結果発表とまいりましょう。今回のクイズ企画、優勝者は――」
そんなわけで俺は見事にトロフィーを獲得した。
といってもただの演出で、実際に賞金や商品があるわけではないのだけど。
* * *
――と、思っていたら後日。
俺はクイズバラエティの主宰からメッセージを受け取った。
『次回以降、解説役としてクイズ企画に参加しませんか?』
そういうことになった。
なんでも解説役をしていたVTuberが、前々から解答役をやってみたいと希望を出していたそうだ。
そんな中での俺の登場はすごく都合がよかったらしい。
そうして俺ははじめてのレギュラー番組を持つことになった。
……ちなみに。
あー姉ぇがダントツのビリで、珍回答賞をもらっていた。
彼女自身は非常に不服そうだったが、当然の結果だよ!
* * *
そんなこんなで、クイズ企画で解説レギュラーを務めるようになってしばらく。
俺は新衣装のお披露目配信を行っていた。
>>これは妖精
>>いや、お遊戯会の木の役だろ
>>待て、これはきっと俺との結婚ドレスに違いない
「ちっげーよ!」
当然のように新衣装のシルエットクイズがはじまってしまった。
まぁ、お約束というやつだ。
トゥイッターに投稿されていた大喜利なイラストを紹介し、いよいよ大詰め。
俺は新衣装のデザインをチラ見せさせていく。
さて『翻訳少女イロハ』の新衣装とは……!?