「姐さんっ、
私の名字、知ってるんですかっ⁉」
えっ?
「……はい、
斐涼楓さん、ですよね……?」
「なんとっ‼
姐さんが私のフルネームを知っていらっしゃるっ‼」
もちろん、知っている。
《ピンク・ラビット》のリーダーで学校内で有名。
なので知らない人はほとんどいないと思う。
「それはっ、
大変嬉しいことでございますっ‼」
そんなにも喜んでもらえるなんて。
なんだか。
照れくさい、少しだけ。
そう感じながら。
見ている、斐さんの顔を。
そうしたら。
気付いたことが。
斐さん。
無邪気で可愛らしい笑顔。
それに。
目も鼻も口も。
全てきれいに整っていて。
かなりの美少女。
今まで思っていた斐さんのイメージ。
それとは違う一面を知ることができた。
そんな気がした。