「こんなマネをしてすまない。
 だが目的を果たすためなら
 ある程度までは手段を選ばない主義だから」


 とうとう。
 恐ろしいオーラの人、目の前に。


 目が合ってしまった。
 怖い、ものすごく。


「答えてほしい、質問に」


 逸らしたい、その恐ろしい瞳から。

 だけど。
 できない、逸らすことが。


「あんたは彼女なのか。
白龍(はくりゅう)』の総長の」


 白龍の総長?


「あぁ、すまない。
 この状態では話すことはできないよな」


 そう言った恐ろしいオーラの人が私の口を塞いでいるものを解いた。


「改めて訊く。
 あんたは『白龍』の総長の彼女ということで間違いないのか」


 口元が自由になっても。
 変わらない、恐怖心は。


「この子が話すことができないのは、
 君の顔と雰囲気が怖いからだよ、総長」


 私の様子でわかったのか。

 最初に話しかけてきた男子がそう言ってくれた。



 それにしても。
 恐ろしいオーラの人。
 この人も総長?


『白龍』の総長といい。
 総長とは一体何なのか。