「あっ、それ少しの間、辛抱してね。
 目的の人が来たら解放してあげるから」


 どういうこと?


 訊きたくても。
 今の私は。
 塞がれている、口も。


「今、君が目を覚ましたこと
 報告してくるから待ってて」


 誰に?


 そう思っている間にも。
 目の前にいる男子は立ち上がり。
 離れていく、私から。

 そうして。
 入っていく、少し離れたところにある部屋の中に。