目を閉じていた、私と龍輝くんが。
その間のことは。
聞いた、桐生くんから。
ちなみに。
桐生くんと平岡くんは。
昼前に諏藤くんの家に来ていた。
桐生くんの話によると。
閉じている、目を。
私と龍輝くんが。
その間。
眠っている、普通に。
そういう感じだったという。
目が覚めたばかり。
とりあえず。
問題なし、体調は。
龍輝くんも。
大丈夫そう、体調。
戻ることができた、なんとか。
自分の姿に。
そのことは。
ほっとしている、とりあえず。
だけど。
わからない、またいつ起こるのか。
そう思うと。
心配、不安、落ち込み……。
湧いてきてしまう、そんな負の感情たちが。
そんな中でも。
龍輝くん、桐生くん、諏藤くん、平岡くん。
彼らのおかげで。
救われている、ものすごく。
彼らがいるから。
少しだけ前を向くことができている。
そんな彼らに感謝の気持ちでいっぱい。
「おっ、
目、覚めた?」
……誰?
ここはどこ?
目の前には男子が一人。
少し離れたところにも男子たちが。
全員、全く知らない。
この部屋も。
全く見覚えがない。
どこかの廃墟だろうか。
よくわからないけれど、そういう雰囲気がある。
室内は薄暗く。
明かりは小さい窓から差し込む光くらい。
ところで。
今、何時だろう。
スマートフォン……あれ、どこ?
持っていたバッグも見当たらない。
って⁉
なにこれ⁉
私っ、縛られているっ⁉
手足を紐のようなものでっ。
「あっ、それ少しの間、辛抱してね。
目的の人が来たら解放してあげるから」
どういうこと?
訊きたくても。
今の私は。
塞がれている、口も。
「今、君が目を覚ましたこと
報告してくるから待ってて」
誰に?
そう思っている間にも。
目の前にいる男子は立ち上がり。
離れていく、私から。
そうして。
入っていく、少し離れたところにある部屋の中に。
どうしよう。
わからない、どうすればいいのか。
逃げることも助けを求めることもできない。
というか。
そもそも私はなぜここに連れてこられたのだろう。
目的の人。
その人が来たら解放する、私のことを。
そう言っていた。
目的の人。
一体誰のことだろう。
私が連れてこられた理由。
わからない、全く。
そう思っていると。
“ガチャッ”とドアが開いた。
そこは。
さっき私に話しかけてきた男子が入っていった部屋のドア。
そこから出てきたのは―――。