茉蕗(まろん)とは付き合いは短いけど、
 深い繋がりを感じる」


 私も。
 龍輝くんと同じ。


「それに茉蕗のことは、
 もっともっと前から知っているような感覚もある」


 私も。
 同じような感じ、龍輝くんと。

 なんだか懐かしいような。
 そんな感覚がある。


「だけど、そういう感覚になるだけで、
 具体的には全くわからないし思い出せない」


 それも。
 同じ、龍輝くんと。


 龍輝くんのこと。
 感じる、懐かしいと。

 それなのに。
 全く思い出せない、龍輝くんとの思い出。


「どちらにしても、
 今は茉蕗と一緒にいるから
 幸せだけどな」


 龍輝くんっ。
 ものすごくストレートな言葉っ。


「って、
 こういう状況なのに
 そんなふうに思ってはいけないのかもしれないけどな」


 姿は私。

 それなのに。
 ドキッとした。
 龍輝くんのストレートな言葉を聞いて。


 あぁ。
 不思議、本当に。