不思議。


 本当なら怖くて、とても訊けるような状況ではないはず。

 それなのに。
 できない、止めることが。
 質問をする。
 そのことを。


「『白龍』はどういう人たちなのですか。
 あと『白龍』とどのような勝負をしているのですか。
 ゲームとかでしょうか。
 それともクイズとかだったりしますか」


 している、質問攻めを。

 驚いている、そんな自分に。


「……あっくん、
『白龍』の正体と俺たちのこと、
 茉蕗(まろん)ちゃんに話してもいい、のかな」


 訊いている、確かめるように。
 海翔さんが北邑(きたむら)さんに。


 海翔さんの言葉に。
 返答した、北邑さんは。
 静かな声で「好きにしろ」と。


「あのね、茉蕗ちゃん」


 北邑さんの了承を得た海翔さんの始めようとしている話。
 それはどんな話なのか。
 興味が沸いてくるのと同時に緊張感が高まり始めた。

 そのためか。
 縛られている手から少しだけ汗が滲み出てきた。


「『白龍』と俺たちはね……」


『白龍』と海翔さんや北邑さんたちは……。