商業ギルドのマスターは鬼人族のシオドリック・グレンヴェルであるが、実のところ彼はほぼギルドの仕事はしていない。
 というか能力的に頭脳労働向きではなく、いってしまえば完全な脳筋であるため、やりたくても出来ないのである。

 元々商業ギルドはそれとは名ばかりな傭兵団であり、戦地を点々として来た歴史があるためか、その上に立つものは腕に覚えのあるものが多い。というかそうでなければマスターとして選ばれないのだ。

 そして現在のマスターであるシオドリック・グレンヴェルは、武芸者として他と一線を(かく)し、だがそれでいて他者を(おもんばか)れる人格者である。

 まぁ、先に述べた通りに脳筋で頭脳労働には全く適さないが。

 そんな脳筋マスターを完璧に補佐しているのが、サブマスターである草原妖精のデリック・オルコックである。

 彼はかつて草原妖精族が多く住んでいる遊牧地であるマグダフ平原を、誰かさんと争い競い合うように二分し取り仕切っていた過去を持つ。

 当時の彼を、誰が言ったかこう呼ばれて恐れられていた。

草原の破壊者(プレリ・デストリュクシオン)〟――と。

 その競い合っていた〝草原の災厄者(プレリ・カラミテ)〟な誰かさんとはいつしか何故か恋仲になり世帯(しょたい)を持ったのだが、その誰かさんがあまりに変態であったために付いて行けず、敢えなく離縁となったそうな。
 だが本気で嫌いになったわけではないらしく、誰かさんのなにかが溜まっちゃったとき、たまーに発散目的の朝チュンをしているらしい。

 そんな誰かさんは家事全般に精通しているし、もちろん料理上手でもある。更に気が利いていて相手がどうしたいのかを察する能力にも長けていた。

 変態なのに。

 そして残念ながらデリックは、変態ではなく至って普通(ノーマル)であるため、それを理解出来なかった。

 普通(ノーマル)変態(アブノーマル)軋轢(あつれき)は、想像以上に根深いものである。

 そんなデリックの元に秘匿(ひとく)回線からの直通電話があったのは、彼が日も暮れてそろそろ帰宅の途に着こうかと用意を始めた頃合いであった。

『ああ、デリックさん。良かった、まだギルドにいてくれた』

 電話の相手は、とある極秘任務のためにリトルミルに遣わしたデメトリオであった。

「そろそろ帰宅しようとしていたのですが……どうしたのですか、そんなに私の声が聞きたかったのですか? 言っておきますが私は変態が嫌いですよ。それに男色も他所様が勝手にするのは一向に構いませんが、私は絶対に無理ですからね」

 などと軽口を言ってみる。だが今のデメトリオには、それに反応する余裕はない。

『そんなことはどうでも良い! 大変な事態になった! シェリーの嬢ちゃんが、教会に入ってから行方を(くら)ませちまった!』
「……なんだと?」

 デメトリオが焦燥しながら訴えるそれを聞き、底冷えする言葉を吐くデリック。
 それを聞いて心胆寒からしめるデメトリオだが、そんなことよりもシェリーが行方不明になった経緯の報告を優先させる。

 そして一通り報告を聞いて、デリックは椅子に深く腰掛け溜息を()いた。

『済まねぇ、デリックさんが俺を信じて与えた任務なのに、それすら満足に(こな)せねぇ自分が情けなくて嫌になる』
「自分を卑下するのは止めなさいデメトリオ。あなたは良くやってくれていますよ。ちょっと実力不足は否めませんが、ユーインの部下にしておくのは勿体ないくらいです」
『いや、でもよ――』
「まったく、チンピラ然としている容姿のくせにバカが付くほど真面目なのは相変わらずですね。どうしてこんな良い男を世の女性諸姉(しょし)は放っておくのでしょう。やはり見た目でしょうか?」
(けな)すのか褒めるのかどっちかにしてくれ。物凄く反応に困る』
「まぁそれはそれとして――」

 一度言葉を切り、デリックは表情を引き締める。その雰囲気が伝わったのか、通話先のデメトリオも息を殺して次の言葉を待った。続くそれを、聞き逃さないために。

「私が貸したエセル様の写真、汚したり紛失したりしていないでしょうね? あれは現存するものでは最後の原物(オリジナル)ですから」
『え? あ、ああ、それか。それならシェリーの嬢ちゃんがネガ持ってるそうだ。言えばいくらでも現像してやるって言っていたぞ』
「デメトリオ、君は素晴らしい。ギルドに戻ったら今月の()()()()の500%を特別賞与として支給しましょう。いや、戻るまでもなく君のギルド口座に即振り込んでおきます。そして明日より三〇日間の特別有給休暇を与えます。これは業務命令ですので、必ず受け取り休養するように。総務課のサロモンも会計課のエヴラールも、絶対に否とは言わないでしょう」
『は? え? あれ? ちょっと待ってくれ、意味が判らん。それに今月の給与って、例のオスコション商会への強制捜査とか残業とかも結構あって特別手当が加算されているから、収入としては相当多いんだけど――』
「君はそれだけの功績を上げたのですよ、デメトリオ。大丈夫です、税金は掛からないように裏工作しますし、誰にも文句は()()()ません。文句があるなら私やサロモン、エヴラールが相手になります」
『組織のNo.2なアンタと二人のNo.3が相手って……逆に空恐ろしいわ。それに組織の上に立って不正を取り締まる筈の役職が脱税を推奨するとか、どうしてくれようか反応に困るぞ』
「綺麗事では世の中は渡って行けないのですよ、デメトリオ。いつか君も判る日が来ます」
『判りたくないわ! 本来なら賞与も特休も嬉しい筈なのに、内容聞いたら全然嬉しくない。それに金と休日があっても恋人の一人もいないんじゃあ意味ないだろう。誰かいないかデリックさん』
「私の心当たりは一人だけですね。紹介しましょうか? 変態ですけど」
『俺そんなに変態には抵抗ないし、むしろちょっと心惹かれるが、それアンタの元奥さんだろ? 良い加減に諦めて復縁しろよ。変態だって慣れれば可愛いもんだろうが』
「いえ、変態は認めません。そんなわけで、シェリーさんが行方不明になった原因に心当たりがあるので調べてみますね。……きっとあのクソ森妖精が一枚噛んでいるどころか根源なんだろうし」
『お似合いなんだけどなー。良いじゃねぇかちょっとくらい変態でも。……て! もしかしてアンタが直接動くのか!?』
「当り前です。シェリーさんはエセル様の娘なのですよ。この意味、貴方は判りますよね?」
『え? いや、(びた)イチ判らないが――』
「ふふ、ふっふっふ。私もすぐに其方へ行きますから、そのときによーーーーーーく説明してあげましょう」

 そして切れる通話回線。デメトリオは暫く受話器を持ったまま、空恐ろしいなにかに触れてしまったのを理解した。

 だが、それでもまだ、その理解は足りなかった。

 シェリー・アップルジャックという個人へ不当に手を出すという行為が如何(いか)に愚かで恐ろしく、そしてその感情を(いだ)くことすら生易しく感じさせる者ども――既に眠りに就き、二度とそうであると名乗らないとした誓約すら破棄させ覚醒させるほどの絶望的な所業(しょぎょう)であることを――。

 この日、既に引退して平穏な日常に生きると剣を置いた一人の男が、それを再び手に取り仲間(パーティ)と共に再始動した。

 ――男の名は、アイザック・セデラー。

 魔法生物だろうと亡者だろうと、そして神龍であろうと()()()()()()()()()()()()と恐れられた冒険者集団(パーティ)無銘(リアン・ル・プレノン)〟のリーダーであり、一人でも災害級の能力を持つとされる仲間を取り仕切っていた、そして暴走する三人の仲間をたった一人で抑えていた、最強と(いわ)れている商業ギルドのマスター・グレンヴェルにして戦いたくないと言わしめた唯一の男。

 その身に急所を守る最小限の鎧を(まと)い、神龍より(さず)った灼熱と極寒の大太刀を腰に差し、そして極光の棍を携え、全身から(ほとばし)っているであろう殺気を無理矢理抑え込む。

 それは、その殺気は、愚かな行為に及んだ者どもと対峙すまで解放するわけにはいかない。気の弱い者ならば、それに充てられただけで生を放棄する場合もあるから。

 デリックから手短(てみじか)に事情を聞き、そして最短で身支度を整え、彼は仲間と共に用意された特別列車でリトルミルへと()った。

 たった一人の、(おの)が娘を救うために。



 ――*――*――*――*――*――*――



 ベン・ネヴィス教会に足を踏み入れ、その(けん)(らん)でも()()でもない教会堂の美しさに目を奪われ、シェリーは感嘆の溜息を吐いた。

 白を基調とした内装に、おそらく自然のものであろう同じく白い石壁面(せきへきめん)と建造物との継ぎ目が見えないほど巧緻(こうち)な技術によって構築された内壁材(うちかべざい)と立ち並ぶ石柱(せきちゅう)が見事に融和し、それ自体が芸術作品と言ってしまっても過言ではないと、シェリーは思う。

 そして採光窓を彩る(ステ)(ンド)(・グ)(ラス)も必要以上に原色ではなく落ち着いた、だが見る者の目を釘付けにするほどに繊細で一部のズレもない、神々しいとはこの光景を言うのだろうと、重ねてシェリーは考え一人頷いていた。

「おかーさん、あのおねーさんひとりでうんうんしてるよ」
「しー! そっとしておいてあげなさい。きっと、理由があって、独りで教会に来てるんだから……」

 我が子の恐れを知らない指摘にそう言い返し、そっと同情の涙を拭う母親。その視線は「強く生きてね」と言っているかのようで――

 ――なんかヘンな誤解された!?

 そんな母子の会話を耳にし、その対象が自分であると理解したシェリーは、ちょっと慌てて周囲を見回した。

 周りには親子連れや夫婦、そして恋人同士であろうイチャコラしているヤツらが結構いる。そんな中に女子が独りでいたのなら、そりゃあ誤解もされるだろう。

 だがそもそもな話し、別になにか理由があって独りなわけではない。逆に独りであることに、特別な理由などあるワケがないし。

 まぁ強いて言うなら、一緒に来てくれる友達がいなかっただけ。実に寂しい女子である。

 ――て(やかま)しいわ!

 などと心中で一人ボケツッコミをするシェリー。当り前にそれが誰かに気付かれることなどあるワケがないないため、「独り上手」と「一人ボケツッコミ」の技術(スキル)が天元突破して行く。そんな技術(スキル)は存在しないけれど。

 こんな性格だし、おまけに精神的に相当()れているから同い年(タメ)の友人は望むべくもないが、せめて同世代の友人が欲しいと、わりと本気思うシェリーだった。

 それはともかく。

 自分の目的は別に観光をするためではないし、それにはあまり興味も――興味は……はいごめんなさい、興味ありました。

 噂に聞いた世界一美しいと称されているベン・ネヴィス教会には、実は子供の頃から来たいと思っていたのである。
 だが母親(エセル)が何故か(かたく)なに拒んでいたため、結局は現在のように一人で来るしかない。

 本音を言えば、リトルミルの温泉も、このベン・ネヴィス教会にも、母と一緒に来たかった。

 父親(ロクデナシ)とは来たいとも思わないし、その発想すら湧いてこないが。

 でも、どうしてお母さんは此処には絶対に行かないって言っていたんだろう? 温泉は嫌いじゃないだろうし。もしかして、宗教とか信仰とかが苦手だったのかな?

 そんな取り留めもない夢想をしながら、案内に従い〝(よわい)の儀〟が執り行われているベン・リアック神殿の聖堂へと移動する。
 ちなみに先程シェリーを見てなにを思ったのかそっと涙を拭った母子は、そのすぐ前にいた。

 教会堂を抜けて渡り廊下を進み、神殿の聖堂に入る。其処は教会堂より幾分華やかであり、だがそれよりもまず目についたのが、それが行われている場に置かれている、高さ3メートル、幅1メートルもある六角形の巨大な魔水晶であった。

「うわー、でっかーい。というかこれって一体お幾ら枚の大白金貨を()ぎ込んだんだろう」

 などと、それを見て無邪気にキャッキャ騒いでいる子供達や、その大きさと荘厳な雰囲気に感心している大人達とも一線を画す感想を漏らすシェリー。

 ちなみに例の母子にはしっかり聴こえていたようで、首を傾げる子供の傍で母親が微妙な表情を浮かべていた。

 ある程度の人数が集まった頃合いを見計らい、神父らしき法衣を纏った壮年の男が壇上に立ち、咳払いをしてから厳かに――

「えー、この魔水晶は~、魔力を流すことでー、えー、それぞれのぉ~、えー、属性に光りー、えー、どの属性が――」

 説明下手か!

 シェリー、渾身のツッコミ。

 だが流石に声に出すわけにもいかないために、心中で思うままそうして独り上手スキルの熟練度上げに勤しむ。そろそろスキルレベルが上がりそうである。転職はあるのだろうかとか、やはり意味のないメタメタしい思考を(めぐ)らせ更なる熟練度上げに余念がない。

「ふーん、凄ーく綺麗に磨かれているわねー。いっぱい触られて手垢とか付いたら大変そう。気後して触るの躊躇する人もいるんじゃないかしら」

 小声で、またしてもそんなどーでも良いだろうと言われるであろう独白をする。だがこれには、やっぱり聞こえている例の母親も頷いていた。どうやら同じ発想に至り、そしてそのまま気後しているらしい。

 まぁ、ちょっとくらいの汚れが付いたくらいなら修道士(ブラザー)修道女(シスター)が頑張って磨き上げるだろうし。

 今度はそう考え、だがその直後、

「乳液べっちょりな手で触ってやろうかしら」

 とっても悪い笑みを浮かべながら、そんな言葉が口を衝くシェリー。

 そしてそれが聞こえている母親は――ちょっとそれを考えていたため肩越しに振り返り、アイコンタクトの後で同じく悪ぅい笑みを浮かべた。

 このお母さんも、ちょっと色々溜まっているらしい。きっと家族旅行も兼ねていたのであろうが、父親が急な仕事とかで結局母子旅になっちゃったのであろう。

 などと勝手に他所様(よそさま)の家庭の事情を連想する。

 正解であった。

 神父の、きっと重要なのであろうが万人(ばんじん)の記憶に一切残らないのは確実な解説が終わり、修道士(ブラザー)修道女(シスター)達がそんな解説(もの)なんかよりよほど効率的で的確で要点をまとめた説明をしながら誘導する。
 中でも茶系金髪(ダーク・ブロンド)で青い瞳の、眼鏡(メガネ)がよく似合う可愛らしい修道女(シスター)のお姉さんは群を抜いており、必然的に其方(そちら)へ人が流れて行くのだが、それすら上手に操作(コントール)して均等に割り振って行く。

 あのお姉さん、欲しい!

 などと考えるシェリー。だが悲しいかな、残念ながら現在は無職な自宅警備員(ニート)である自分。部下や従業員など必要ない。
 それに残念ながら、終生請願(しゅうせいせいがん)をしているであろう修道女(シスター)を、そう易々と勧誘出来る筈がない。
 だがそれでも彼女のウィンプルは肩までしかないから終生()請願()の前だろうしワンチャンある筈! などとちょっと意味不明な悪足掻(わるあが)きを勝手にし始める始末。

 独り上手の熟練度が鰻登(うなぎのぼ)りである。

 優秀な修道士(ブラザー)修道女(シスター)により効率良く儀式は進み、あと数名が終わればシェリーの番になるというとき、(おもむろ)肩掛け鞄(サコッシュ)からポーチを取り出して中から小瓶を摘み出し、手の甲に乳液を垂らした。

 あ、本気でやるんだ。ゴソゴソしているシェリーを(うかが)い見ている例の母親が、そう言いたげに小さく溜息を吐き、ちょっと呆れた視線を向けている。

「ねぇ、どうすればいいの?」

 次が自分の番になり、目の前で母子が魔水晶に触れて感嘆の声を上げているのを尻目に、茶系金髪(ダーク・ブロンド)で青い瞳の、眼鏡(メガネ)がよく似合う可愛らしい修道女(シスター)のお姉さんに訊いてみる。

「魔水晶に触れるだけで良いのですが、もし魔力を扱えるのでしたら意識して流して貰えれば、より詳しく結果が表れます。大丈夫です。気を楽にしてまず触れてみましょう」

 そしてにっこり笑顔を浮かべるお姉さん。

 その笑顔は、彼女の相貌(そうぼう)と修道服効果も相まって、反則的なほどに魅力的である。

 ああ、お持ち帰りしたい!

 などと親父的、もしくは犯罪者のような発想に至るシェリーであるのだが、その原因は幼少期から見て来た元従業員(豚野郎)どもにある。

 朱に交われば赤くなるとは良く言ったものだが、変態や豚野郎に囲まれていれば少なからず影響を受けるらしい。

 実に恐ろしい現象である。

 そして遂にその時となり、その魔水晶を見上げるシェリーは、聖堂のテラスに赤いキャソックを身に纏っている森妖精を目撃した。

 服装からしてきっと枢機卿(すうきけい)なのだろうと考え、だがそれより、言い方は悪いがこんな辺境にある神殿なのに、何故そんなお偉い様がいるのだろうかと怪訝に思い、更に、森妖精の聖職者? レアだ! とも考えて、未確認動物(UMA)でも見付けたかのように繁々と観察する。

 すると彼も自分を見詰めるシェリーに気付き、口元に笑みを浮かべて見詰め返した。

 その笑顔を見た途端、シェリーの全身がザワッと粟立ち、そして半眼になってから視線を逸らす。
 なにやら見てはならないなにかを見ちゃったり、触れてはいけないなにかに触っちゃったような(おぞ)ましい感覚に襲われた気がしたから。

 そんなシェリーを見て緊張しているのだろうと察した、茶系金髪(ダーク・ブロンド)で青い瞳の、眼鏡(メガネ)がとってもよく似合う可愛らしい修道女(シスター)のお姉さんが、優しくその背を押して促した。

 好き♡

 そのさりげない気遣いと優しさに、おかしな扉を開き掛けるシェリー。もう枢機卿(あんなヤツ)なんてどうでも良い。

 そして、乳液たっぷりの両手に容赦なく魔力を込めて魔水晶に触れる。

 その瞬間――

 その場にいる全ての者が言葉を失った。

 本来であれば魔水晶の変化は、時間の経過と共に現れる。それにどれほど短くても、十数秒は掛かる筈だ。

 だがシェリーの場合、触れた瞬間その全ての変化現れた。

 それは、彼女が桁違いの魔力を保有しているということ。

 そしてシェリーが触れたことで現れた変化は――

「なんだ、これは……!」

 そんな呟きが、上にあるテラスから聞こえる。

 魔水晶は、シェリーが触れたその一瞬で、可視光のほぼ全てを捕らえて吸収する色――ベンダブラックに染まっていた。