「でもまぁ死んだも同然だよね。だってほら、首から下がなくなってるわけだし。いやーほんと困っちゃうよね」と続けるので「あの、じゃあどうして私を騙すようなことを?それにあの日私を呼んだ理由も教えてほしいんですが」
そう尋ねると田中さん(以下略 田中「そういやそうだね。えっと、君のことが好きなんだよね、僕」
突然告白された
「え?あ、そうですか」と言っても 田中「だから君を僕のものにしたかったんだけどさ なんかこう、うまくいかなくて それでちょっと意地悪しちゃおうかなって思ってさ」
「なるほど、よくわかりました。それでは失礼します」
田中「え?帰っちゃうの?これからどうするの?」「はい、とりあえず帰ります」
田中「……あ、そうなんだ」
「それじゃあ」
田中「また会えるといいな」
「はぁ」
田中「それじゃあまた」
「また」
こうして物語は終わる。
●金曜病患者の増加について製薬会社にて主任研究員を務める田中真由は同僚の高橋という女性に金曜病の話をしていた。「それでさーその人が言うにはこの会社で昔働いていた人の血液を使ってDNA解析したけど、特に問題は無かったって」「まぁこの会社は大病院との繋がりもあるから」などと話してる二人の元に二人の男が現れる。「お二人は仲が良いみたいですね」と質問する二人に「ええ」「はい」。
「ところで沢木って人を探されているんですが」と聞くと「いえ」と答える高橋に「そうですか」と言ってその二人を探し出すことにした。「でもさーその人の言ってることよくわからないよね」と疑問を口にする二人に「まぁ確かに意味がわかんないですけど」と答えながら資料室へと向かった二人。「えっと沢木さんは……」
資料室内では一人の男性が床に座って本を読んでいた。「あの、沢木って人を探されているんですが」
そう聞くと男性は、立ち上がり「あぁそれ、俺です。……なにか?」
田中は「金曜症候群の原因がわかったので来てもらえますか」
笹谷は、「じゃあ俺は悪くないのかよ!!」
田中「はい」笹谷「そんなこと言われたって……もう無理だ……こんなところ辞める。明日からまた仕事探しだ……」
田中「じゃあそろそろ行きましょうか」
笹谷「いやだから行かねぇよ」笹谷は田中達に背を向けて歩き出した。「はぁ……」田中はその背中を見てため息をつくのであった。
田中達は研究室で顕微鏡を見ながら「これです」と電子顕微鏡の中に写っている赤い斑点のような塊を見せられた。それはまるで寄生虫の卵のように思われた。
田中「これは、一体なんでしょうか」
沼田「恐らく……寄生虫でしょうね」高橋「あのぉ」
沼田「どうかしましたか?」
高橋「それってもしかしたら今テレビでやってる金曜症候群ってヤツじゃないっすか?」
沼田「ああ。それじゃあ」
高橋「いやそれが、なんか最近流行ってるらしいんですよ」
沼田「詳しく聞かせてください」
日曜日の夕暮れ。田中は一人部屋の中で読書をしていた。するとチャイムの音が聞こえる。インターホンで誰であるかを確認したあと、玄関の扉を開ける。すると目の前には女性が立っており、 田中(あれ、誰だ……)と思いながらも声をかける。女性は田中に向かって、
「私は、あなたのことが好きだったのですが、あなたは私のことをどう思っていましたか?」
突然のことに戸惑いながら、なんとか答えようとするが、うまく言葉が出てこない。すると今度は別の声が聞こえてくる。
「私は、あなたのことを愛しています。もしよろしければ、一緒に帰りませんか?」
その声は田中さんの声だった。
月曜日、いつもの朝だった。田中は憂鬱だった。なぜなら、昨日の晩に夢を見たからだ。
田中さん(以下略 田中さんが田中さん(以下略 田中さん(以下略 田中さんが田中さんを田中さんしていると田中さんが田中さんに話しかけてきた。