ワイバーンホライズンズ~ゲーム作家の俺がログアウトしくじったら自作の龍を退治する羽目になったんだが

ワイバーンは逃げたようだ。アルバート達は逃げる。しかし、後ろからワイバーンが迫ってくる。「ワイバーンはこっちかよぉ」とカルバートがぼやく やがて、洞窟の前に辿り着いた。ここでアルバートの体力はゼロになり、死亡した。アルバートが死んでも、アルバートのゲームプレイデータは残っている為、いつでも復活出来るがワイバーン戦で死亡すればアルバートは永遠に戻って来れなくなるだろう。アルバートが死んだら、ゲームオーバーだ。
カルバートは、アルバートの死を確認して言った。
その言葉に怒りが滲んでいた。そしてこう続ける カルバートは続けて、 そして、バーグマンは黙っていたカルバートはバーグマンを一喝する。そしてこう言った。
カルバートの視線の先にワイバーンが居た。アルバートは死んでしまったがワイバーンが目の前にいる。アルバートが死ねばゲームデータが残っている。そして、アルバートは復活するがこの場にいない。
カルバートはアルバートに託された思いを胸に秘めていた、カルバートは叫ぶ。そして、戦う決意を固めた。
カルバートの攻撃がヒットしてワイバーンにダメージを与える、ワイバーンの反撃を受けて瀕死の重傷を負う。しかしカルバートは倒れずワイバーンを威嚇する しかしカルバートの健闘虚しくアルバートはワイバーンに殺されてしまった カルバートとバーグマンの二人が生き残ってワイバーンを倒したのは次の日になってからの事だ。
アルバートは死んだ。そしてカルバートが勝った、カルバートがアルバートの遺志を継いでワイバーンを倒し、このゲームをクリアした。そしてカルバートとアルバート、そして、二人を導いたマザーコンピュータであるワイバーンは仮想の大地に降り立つ。
アルバートの脳は破壊されたが、バックアップのバックアップのバックアップ、すなわち、記憶装置が保管してある場所は知っている。
カルバートとバーグマンは協力してカルバートの父親が隠しているハードディスクドライブを回収する、しかしそれは、ワイバーンへの扉を開く行為でもあった。
そしてワイバーンが蘇った、復活したワイバーンを倒す事は出来なかった、しかし、ワイバーンのデータからこの世界を消去することはできた。
カルバートとバーグマンはカルバートの両親と協力して、この世界を消した、こうしてアルバートの冒険は終了した、めでたしめでたし。
という夢を見た。
そして目覚めると枕元のメモ用紙に、 親愛なる息子へ。今日、お前に大事な用事があるから早めに帰って来るんだ。わかったね。
父より とあった。何事だろうか?
* * *
カルバートの父はカルバートの帰宅を待っていた。
そして彼はカルバートにあるモノを手渡す 彼は言った。
カルバートの父親は言った お前にプレゼントがある 開けてごらん。
カルバートの父はそう言って、箱の中身を開けた それは、指輪型の機械だった これが、俺達の未来を作る。俺は、それを知ってる。
彼は言った。
彼の名はマザーコンピュータ、マザーコンピューター。この世界の全てを創造し管理していた。
カルバートの父が、それを言う前にカルバートの父は死んでいった カルバートは父の遺品を手にする。そこには、小さなチップが入っていた これこそが、この世界で、唯一にして最大の秘密が詰まった記録媒体だ。
これをカルバートに託しておく そして、私は消える。さらばだ、カルバート。我が子よ。私に、この世界の可能性を見せてくれ。
カルバートは、父が消えた後の空間に手を伸ばした、何も無いはずの場所、しかしその向こうに、何かを感じた。
カルバートの眼から涙が零れた。
カルバートは夢を見る、カルバートの夢の中でカルバートとアルバートは邂逅する そして、アルバートはカルバートの願いを聞き入れた。カルバートが、目を覚ますと朝になっていた 彼は机の引き出しを開ける、そこには昨夜見たのと同じものがあった。彼は手に取る。
その瞬間、彼の中にある思いが生まれた。アルバートに会いたい。会って話したい。
その想いは、アルバートも同じだった。カルバートは決心した、カルバートは、マザーコンピュータを起動させた
「アルバートさん、どうして」リリスが言う「どうして」アルバートの口からは理由が出てこなかった「アルバートさん、どうして、ワイバーンを殺さなかったんですか」
「いや、だから、それは……」アルバートは口ごもる「ワイバーンは倒せなかったんですよ」リリスの言葉はアルバートの心をえぐる「じゃあ、俺のやったことは、無意味だったのかよ」アルバートの声が震えた「無駄じゃないですよ」リリスが微笑んだ「じゃあなんで、アルバートさんは、そんなに苦しそうな顔をしてるんですか?」
アルバートは泣きそうになった「ああ、そうだな、リリスの言う通りだな、ごめんな、リリス」