【私はどうなろうと構わん。だが、私が死んだらワイバーンの怒りは何処に向かうと思う?ワイバーンを制御できない人間が居ては危険すぎる。アルバート。頼む、奴を倒してくれないか】
そして、ついにワイバーンの口が大きく開かれる。アルバートに狙いを定めた。「やめろ、俺はお前なんか知らない」アルバートは必死に抵抗する。ワイバーンの口に火球が生まれた。
「おい、冗談だろ。嘘だと言ってくれよ」と涙を流すアル。だが、無情にもワイバーンの口から炎弾が発射された! だがその時「カルバート!」叫び声とともに、一陣の風が吹き抜けた。そしてワイバーンの動きがピタリと止まった。次の瞬間、カルバートの体が真っ二つに割れた。「うそだ!」呆然と立ち尽くすアルバートの眼前に黒い鎧の戦士が姿を現した。その背中を見た時、何故か安心した。「あんた、何者なんだよ」「カルバート、今のうちに離れろ!」「わかった。アルバート行くぞ!」アルバートはワイバーンから離れて行った。そして二人は無事に逃げ出した。「すまない、また一人救えなかった。でも大丈夫だ、次は必ず勝つさ」
【カルバートはどうなったんだ?教えてくれよ。お願いだよ。もうどうでもいいから……なぁ、なあ!!︎】
(本編に続く)
****
「ワイバーンって本当に空を飛ぶの?」素朴な疑問をアンナが漏らすと「飛ぶに決まってるだろ。飛ばなきゃ困る。だから翼竜じゃなくて、あえて『ワイバーン』と名を付けたんだ。いいから乗れ、ほら早く」と半ば無理やりに馬に乗せた「うわあああああああ」乗馬なんて初めてだ。怖いよおお。
鞍の上で暴れようとする僕の腕を押さえつけ、カルバートは馬を走らせた。ぐんぐんとスピードが上がり、やがて周りの景色を置き去りにした「どうだ、速いだろ。これこそワイバーンの力なんだ!」
確かに早いけど、早すぎて、景色が見えないよ!「ああ、見えるよ。だから、手綱をしっかり握っとけ!」言われなくても握っている。握り過ぎで痛い。
ワイバーンに噛まれた右腕の包帯から赤い血が流れ出る「痛っ!」つい叫んでしまう。「うるさいな、我慢しろ」
だって、こんなに激しく動くんだもん。
しかも馬が全力で走っているみたいに振動がすごい。僕だけ?それとも普通の感覚なの?
「なあ?普通なのか、変なのか?どっち?」と尋ねると「そりゃ変だけど」ってやっぱりそうなんだ!「ワイバーンは俺たちプレイヤーにしか見えず、触れる事もできないが、アルバートには認識できていて触れたりできる」つまり幽霊だな「まあ、そんな感じ」とカルバートが適当に答える。「ええ!じゃあ、僕しか、カルバートの事が分からないのか!」ちょっとショック「そうだ」
僕は肩を落とした。カルバートの事が分かると思ったのに。とほほ。
「落ち込むなって。そのうち、俺の偉大さが分かるようになる」自信満々に言うので少しイラついた「カルバート、ワイバーンが見えたぞ」前方を指し示す。ワイバーンはこちらを威嚇している様子で口を開いている「まずいな、アルバート」ワイバーンは上空に向かって火の玉を放った。カルバートが舌打ちをした「あれを撃たれるとヤバかった」
僕らはワイバーンの真下に駆け込んだ「よし。この位置なら当たらないだろう」そしてワイバーンの攻撃を回避しつつ距離を取る事にした。しかし「くそう。なかなか距離を詰められないな」焦れたのか、再びワイバーンが攻撃をしてきた「こっちだ!」今度はバーグマンが誘導してくれた「アルバート、急げ!」カルバートも負けじと急かしてくる「分かったよ」って、うああああ。馬に乗るって結構キツイんだな。足がプルプルしてるよ「もっと速度を上げろ!振り落とされないようにな」バーグマンの言葉に従い、懸命に手網を握る「どうだ、アルバート!」「もう少し!」しかし「ああっ」ワイバーンの攻撃をかわせずにカルバートが落馬した「危ない!」咄嵯の判断で馬を急旋回させる「ぐは」カルバートは無事のようだ「おい、死ぬんじゃねえよ!」
僕、頑張ったのに、死んだらどうすんだよ(泣)
カルバートの安否を確認する暇もなく、バーグマンがワイバーンの気を引いてくれていたおかげで難を逃れた「大丈夫か!」心配して駆け寄る「ああ」とカルバートは答えたものの、「ちくしょう、左腕の腱を痛めちまった」苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
どうしよう。どうしたら良いんだ? カルバートの怪我が気になって、まともに戦える状態じゃない。
でも、ワイバーンは待ってくれなかった。
バーグマンが囮となって時間を稼いでくれる。
その隙に僕はカルバートに応急処置を施した。
そして、ついにワイバーンの口が大きく開かれる。アルバートに狙いを定めた。「やめろ、俺はお前なんか知らない」アルバートは必死に抵抗する。ワイバーンの口に火球が生まれた。
「おい、冗談だろ。嘘だと言ってくれよ」と涙を流すアル。だが、無情にもワイバーンの口から炎弾が発射された! だがその時「カルバート!」叫び声とともに、一陣の風が吹き抜けた。そしてワイバーンの動きがピタリと止まった。次の瞬間、カルバートの体が真っ二つに割れた。「うそだ!」呆然と立ち尽くすアルバートの眼前に黒い鎧の戦士が姿を現した。その背中を見た時、何故か安心した。「あんた、何者なんだよ」「カルバート、今のうちに離れろ!」「わかった。アルバート行くぞ!」アルバートはワイバーンから離れて行った。そして二人は無事に逃げ出した。「すまない、また一人救えなかった。でも大丈夫だ、次は必ず勝つさ」
【カルバートはどうなったんだ?教えてくれよ。お願いだよ。もうどうでもいいから……なぁ、なあ!!︎】
(本編に続く)
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「ワイバーンって本当に空を飛ぶの?」素朴な疑問をアンナが漏らすと「飛ぶに決まってるだろ。飛ばなきゃ困る。だから翼竜じゃなくて、あえて『ワイバーン』と名を付けたんだ。いいから乗れ、ほら早く」と半ば無理やりに馬に乗せた「うわあああああああ」乗馬なんて初めてだ。怖いよおお。
鞍の上で暴れようとする僕の腕を押さえつけ、カルバートは馬を走らせた。ぐんぐんとスピードが上がり、やがて周りの景色を置き去りにした「どうだ、速いだろ。これこそワイバーンの力なんだ!」
確かに早いけど、早すぎて、景色が見えないよ!「ああ、見えるよ。だから、手綱をしっかり握っとけ!」言われなくても握っている。握り過ぎで痛い。
ワイバーンに噛まれた右腕の包帯から赤い血が流れ出る「痛っ!」つい叫んでしまう。「うるさいな、我慢しろ」
だって、こんなに激しく動くんだもん。
しかも馬が全力で走っているみたいに振動がすごい。僕だけ?それとも普通の感覚なの?
「なあ?普通なのか、変なのか?どっち?」と尋ねると「そりゃ変だけど」ってやっぱりそうなんだ!「ワイバーンは俺たちプレイヤーにしか見えず、触れる事もできないが、アルバートには認識できていて触れたりできる」つまり幽霊だな「まあ、そんな感じ」とカルバートが適当に答える。「ええ!じゃあ、僕しか、カルバートの事が分からないのか!」ちょっとショック「そうだ」
僕は肩を落とした。カルバートの事が分かると思ったのに。とほほ。
「落ち込むなって。そのうち、俺の偉大さが分かるようになる」自信満々に言うので少しイラついた「カルバート、ワイバーンが見えたぞ」前方を指し示す。ワイバーンはこちらを威嚇している様子で口を開いている「まずいな、アルバート」ワイバーンは上空に向かって火の玉を放った。カルバートが舌打ちをした「あれを撃たれるとヤバかった」
僕らはワイバーンの真下に駆け込んだ「よし。この位置なら当たらないだろう」そしてワイバーンの攻撃を回避しつつ距離を取る事にした。しかし「くそう。なかなか距離を詰められないな」焦れたのか、再びワイバーンが攻撃をしてきた「こっちだ!」今度はバーグマンが誘導してくれた「アルバート、急げ!」カルバートも負けじと急かしてくる「分かったよ」って、うああああ。馬に乗るって結構キツイんだな。足がプルプルしてるよ「もっと速度を上げろ!振り落とされないようにな」バーグマンの言葉に従い、懸命に手網を握る「どうだ、アルバート!」「もう少し!」しかし「ああっ」ワイバーンの攻撃をかわせずにカルバートが落馬した「危ない!」咄嵯の判断で馬を急旋回させる「ぐは」カルバートは無事のようだ「おい、死ぬんじゃねえよ!」
僕、頑張ったのに、死んだらどうすんだよ(泣)
カルバートの安否を確認する暇もなく、バーグマンがワイバーンの気を引いてくれていたおかげで難を逃れた「大丈夫か!」心配して駆け寄る「ああ」とカルバートは答えたものの、「ちくしょう、左腕の腱を痛めちまった」苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。
どうしよう。どうしたら良いんだ? カルバートの怪我が気になって、まともに戦える状態じゃない。
でも、ワイバーンは待ってくれなかった。
バーグマンが囮となって時間を稼いでくれる。
その隙に僕はカルバートに応急処置を施した。



