ワイバーンホライズンズ~ゲーム作家の俺がログアウトしくじったら自作の龍を退治する羽目になったんだが

そしてワイバーンは首をかしげてアルバートを見上げた ワイバーンの背中から降りた二人はあたりの様子を伺う どうやらカルバートはここにはいないようだ そして、彼らが立ち去ろうとしたとき 突如、背後から凄まじい気配を感じた。
振り返るのが一瞬遅れてしまう ワイバーンは危険を察知したが遅い。
次の瞬間、鋭い牙が襲いかかる ワイバーンの胴体を牙が貫いて、鮮血が噴き出す そしてそのまま押し倒されて首の動脈を引きちぎられ即死してしまった 一方、カルバートはまだ生きているようだったが身動きが取れなくなっていた。どうやら、地面に何か魔法がかかっているらしく動こうとすれば激痛が走る。そんな彼にゆっくりと近づく足音が聞こえてきた。アルバートはカルバートのそばに行くと話しかけた「大丈夫か」アルバートは回復呪文で傷を治してやる。するとカルバートがアルバートに言った「助けてくれたことは感謝するが。俺と一緒にいると君まで奴らの餌食になってしまう。早く逃げるんだ」アルバートはカルバートを無視して、周囲の様子を探る「ここは?」カルバートは周りを見ながら答えた「おそらく、ルルティエが作り出した結界の中だろう」どうやらアルバートはカルバートの救出を優先させたため罠にはまったみたいだ。彼は、慎重に歩を進めた すると前方に、一匹のモンスターが現れる。
それは黒い巨大な犬だった。しかも尻尾は蛇になっている。「あれは邪神ロキの手先だ」カルバートがつぶやく「邪神の眷属は人間を見つけると死ぬまで襲ってくる」「それなら話は早い。奴らを殺し尽くしてここから脱出する」そしてアルバートはカルバートをかばいつつ、戦闘を開始した 最初は互角のように見えていたが、やはり体力的に劣るカルバートは徐々に押され始めた。やがてアルバートの体に噛みつく。彼は苦痛に悲鳴を上げるが、それでも攻撃を緩めない そして、彼は最後の一撃を加えた。
すると突然体が発光して周囲に光が拡散される。
そして、そこには二人の人間が倒れていた。一人は、アルバートだ そしてもう一人は?「俺はどうしてここに?確かあの時……そうだっ」カルバートはアルバートに抱き着いて、涙を流して言う「本当に、生きて帰ってきてくれて嬉しい」カルバートが泣いてる姿を見たアルバートは、照れくさそうな顔をして、そしてカルバートの頭をなでてあげた。「さあ、帰ろう」そして二人はその場を後にした 一方、ルルティエはワイバーンの死体を見て叫ぶ「なんだ!今の閃光は、いったいなにが起きたのだ!?」ワイバーンを倒したアルバートが答える「俺の仲間がやられただけだ」ワイバーンを殺されたルルティエは激怒した「貴様は生かしちゃおけねぇ」そして、彼女はブレス攻撃で反撃に出る アルバートはそれを紙一重で回避しつつ、反撃を開始する。今度はルルティエがダメージを受ける番だった カルバートも戦いに参加したが、ワイバーンと違い素早い彼女に苦戦する そこでアルバートは二人を逃がすことにした「奴の注意は私が引きつける。その隙に二人は逃げろ」アルバートは、二人を逃がそうとする。しかしカルバートはそれに反論して自分も戦うと言う「ダメだ、これは命令だ。お前らは、逃げろ」
そう言われても納得できないカルバート。「私達のせいで貴方が死んだらどうするんです」アルバートはその言葉を聞き、微笑みを浮かべる「私の事を心配してくれるのは嬉しいけどね。もうすぐ仲間が来るはず。そしたら後はまかせればいい」そして彼は再び戦闘に戻る。しかし攻撃は全て避けられ、徐々にダメージが蓄積していく「ちくしょう!」彼は悔しげに叫んだ「お前なんかに負けてたまるかぁ!」そして彼は渾身の一撃を加える。
だが、その瞬間、アルバートは最後の力を振り絞り、隠し持っていたナイフで自分の胸を突き刺した。「あ、ああ」彼は自分が死んだのを確認する。
しかし、その時、彼の体は光に包まれる。
そして、再び目を開けた時には、彼は、元の世界に戻れたのである。
そして、カルバートは、アルバートが死んだ事実を受け入れられず、その場でうずくまる
「なぜ、こんなことに」
「奴は、ワイバーンロード・ホライズンズの主人公だ」
「え?」
「奴は、このゲームの核となるシステムを作った天才プログラマーだ」
「じゃあ、奴を殺せばゲームが崩壊するのか」
「ああ、だが奴は、ゲームのプログラムに人格を移植している。つまり奴を倒さないと、奴が作ったプログラムは破壊されない」
「どうすればいい」
「奴を倒す方法は二つある」バーグマンは指を二本立てた「まず一つは直接奴を破壊することだ」しかしバーグマンはすぐに否定した。
「奴はワイバーンよりも強い」そして次に人差し指を立ててこう説明する「奴のコアを壊すことだ」これならワイバーンを相手取る時と同様だ。