アキさんが好きだ。
気付いたのは、何時だっただろうか。
「…」
初めて会った時?
雑談してる時?
分からない。
唯、分かるのは…
「馬鹿だなぁ、私。何で、もう死ぬ人を好きになったのかなぁ…?」
アキさんは、もうすぐ死ぬ。
特攻隊として。
アキさん
アキさん、アキさん。
「この想い、報われないだろうな…」
ははっ、と自嘲する。
「セツちゃん、アキさんが…」
「うん、今行くよ」
今日、今からアキさんは出征する。
私は、アキさんへのどうしようもない想いを、今日卒業する。