「第一、王子だと?」
「ええ、辺境の地へはあなたの不正を暴くために行っておりました。王都からは離れて身分を隠していたのでわからなかったでしょうね」
「まさか、このことは国王も……」
「ええ、全てご存じですよ。ブレスの協力のおかげで早くことが進みました」

(第一王子……様? ニコラが?)

 リーズは今まで過ごしてきた優しいニコラと別人のような気がして、呆然としてしまう。
 そんな彼女の心境を知ってか知らずか、終わりにしましょうと呟いて宣言した。

「あなたに王命を授けます。フルーリー伯爵、貴殿には当主の座から退いていただき、ここにいるブレス殿を次代のフルーリー伯爵とする! そして、子を捨てた罪は王都の獄にて償っていただきます」
「いやだああああーーーーーー!!!!!」


 こうして、フルーリー伯爵は当主の座から降り、獄で処分を待つ身となった──