「シロっ!!」
「くう~ん」

 白くもふもふの長い毛を撫でながら、よしよしと言って可愛がる。
 リーズが助けた魔獣の狼は彼女によって「シロ」と名付けられて静養していた。
 どうしてシロなのか、など聞くまでもなく毛が白いからだろうと思ったニコラだったが、よく聞いてみると治療をした時にシロの足の裏に「シロツメクサ」の葉がついていたからだそう。
 それはむしろクローバーということで、「クロ」なのでは?なんてニコラは言うと、あたふたとした後で「シロのほうが可愛いんです!!」とリーズはぷんすかして応えた。

 そんなこともあったがシロは少しずつ回復していき、最初は歩けなかった足も、段々動かしてゆっくりと歩けるようになった。
 傷がひどく化膿する前に治療が間に合ったため、悪化や傷が残ることもなく無事に綺麗に治った。

「シロ、今日はどんなお料理にしましょうか?」
「く~ん」
「え? ポトフは一昨日も食べましたよ? 好きなんですか?」
「わうっ!」
「そうですかっ! じゃあ、そうしましょうか」
「…………」