その隙を狙ってニコラは魔獣が嫌う匂い袋を叩きつける。
あたりには少し煙たい匂いが漂い、うっすらと視界が悪くなった。
「ケリーっ!!」
「承知しました!!」
匂い袋で魔獣がひるんでいる間にニコラの部下であるケリーが村人たちを安全な場所へと非難させる。
魔獣は嫌がるように何度も足をばたつかせて、鼻のあたりをこすったり、顔をぶるぶると震わせた。
ニコラの狙った通り魔獣は森のほうへと急いで駆けていく──
「よし……!」
ニコラはそのまま魔獣を追い詰めるように森の中へと入って行った。
森の入り口付近で魔獣は匂い袋にやられたのか、段々動きが鈍くなってそのまま足を止めてへたり込む。
ニコラはこれならなんとか始末できると剣を振りかざした時、後ろから叫び声が聞こえた。
「ニコラ、ダメっ!!」
「──っ!!」
その声で動きを止めたニコラは、声の主のほうへと振り返る。
そこには先程傷ついた腕を押さえながら、駆け寄って来るリーズの姿があった。
「こっちに来てはダメだっ!」
「ダメっ! お願い、その子を殺さないで!! その子、怪我してる!!」
「──っ!」
あたりには少し煙たい匂いが漂い、うっすらと視界が悪くなった。
「ケリーっ!!」
「承知しました!!」
匂い袋で魔獣がひるんでいる間にニコラの部下であるケリーが村人たちを安全な場所へと非難させる。
魔獣は嫌がるように何度も足をばたつかせて、鼻のあたりをこすったり、顔をぶるぶると震わせた。
ニコラの狙った通り魔獣は森のほうへと急いで駆けていく──
「よし……!」
ニコラはそのまま魔獣を追い詰めるように森の中へと入って行った。
森の入り口付近で魔獣は匂い袋にやられたのか、段々動きが鈍くなってそのまま足を止めてへたり込む。
ニコラはこれならなんとか始末できると剣を振りかざした時、後ろから叫び声が聞こえた。
「ニコラ、ダメっ!!」
「──っ!!」
その声で動きを止めたニコラは、声の主のほうへと振り返る。
そこには先程傷ついた腕を押さえながら、駆け寄って来るリーズの姿があった。
「こっちに来てはダメだっ!」
「ダメっ! お願い、その子を殺さないで!! その子、怪我してる!!」
「──っ!」