「ニコラ、リーズもちゃんと連れてきたよ」
「ありがとう、キャシー! じゃあ、みんな今日は雨が降りそうだから早めに行こうか」
口々に皆返事をすると、列を作って村の一番大きな道路を歩いていく。
「どこに行くの?」
「村の守り神様の樹木だよ」
「守り神様?」
「ああ、土地神様に今年も無事に収穫できたって告げるんだ」
リーズがこの村に来て読んだ本に確かそのようなことが書かれていたことを思い出す。
キュラディア村は土地神として大きな樹木を信仰している。
昔からの伝統が強く残るこの土地ではいくつかの祭がおこなわれているが、収穫祭もその一つだった。
「夏の収穫祭では取れた野菜と、あと土地神様の好きな桃を捧げる」
キャシーは持っていたカゴから桃を取り出すと、ほら、と言ってリーズに見せる。
それはもう立派な桃で、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐる。
やがて土地神様の樹木の前にたどりつくと、皆それぞれ収穫物備えていく。
そしてリーズがセリアの代わりに先程採れたナスとトマトを祭壇に備えに踏み出したその時、どこからか唸り声が聞こえた。
「な、なんだ?!」
「ありがとう、キャシー! じゃあ、みんな今日は雨が降りそうだから早めに行こうか」
口々に皆返事をすると、列を作って村の一番大きな道路を歩いていく。
「どこに行くの?」
「村の守り神様の樹木だよ」
「守り神様?」
「ああ、土地神様に今年も無事に収穫できたって告げるんだ」
リーズがこの村に来て読んだ本に確かそのようなことが書かれていたことを思い出す。
キュラディア村は土地神として大きな樹木を信仰している。
昔からの伝統が強く残るこの土地ではいくつかの祭がおこなわれているが、収穫祭もその一つだった。
「夏の収穫祭では取れた野菜と、あと土地神様の好きな桃を捧げる」
キャシーは持っていたカゴから桃を取り出すと、ほら、と言ってリーズに見せる。
それはもう立派な桃で、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐる。
やがて土地神様の樹木の前にたどりつくと、皆それぞれ収穫物備えていく。
そしてリーズがセリアの代わりに先程採れたナスとトマトを祭壇に備えに踏み出したその時、どこからか唸り声が聞こえた。
「な、なんだ?!」