「う……」
「大丈夫かい?!!」
「おいっ! リーズ姉ちゃん!! 大丈夫かよ!」
「え、ええ……」
「とにかくここに座んな!」

 テーブルの椅子を急ぎビルの母親が持ってきてリーズを支えて座らせる。
 目を閉じて少し心を落ち着かせようとする。

(誰……? あの声は誰なの……?)


 しばらくの間椅子に座って息を整えていると、また目の前が鮮明に見えるようになった。

「とにかく紅茶でも飲んで」
「ありがとうございます。だいぶ落ち着きました」


 もらった紅茶は桃の香りがしたフレーバーティーで、リーズの心を落ち着かせた──