ブレスは再びネックレスに視線を落とし、そして今度は自分のあのときはめてもらったときよりきつくなった指輪を見つめる。
 日の光が入り込み、それは虹色のような不思議な輝きを放っている。

「母上、リーズは必ず私が守ります」

 指輪のはまった手、そしてその手に握り締められたネックレスを祈るように額につける。


「どうか無事でいてくれ、リーズ」


 馬車は急いで辺境の森へと向かっていった──