「まあ、その……昨日はあんな風に言ったけど、まだ正式には届け出は出していない」
「そうなのですか?」
「ああ、君の心を無視して無理に結婚しても良くないからね。一旦お試し期間ということで二人だけの秘密だよ」
「秘密……」

 その響きがなんだかリーズには魅力的というか、いけないことをしている背徳感を感じてワクワクした。
 それと同時に二コラが自分を思って大切にしていることをひしひしと感じる。

「二コラ」
「なんだい」
「私もあなたと家族になれるようにがんばります!」
「ああ、これからよろしくね、リーズ」

 こうして夫婦としての日々が始まった──