私が星羅と付き合って８年がたった。そして、結婚してから１年がたった。
あの日の出来事は今でもよく覚えている。せっかく予約したカウンセラーとの治療は別に必要なかった。星羅は退院できたのが事件から二週間後のことで授業がわけわからんと嘆いていた。
その後、喧嘩とかもたくさんしたけど長続きして高校も同じところに進学した。高校卒業後は私は短大に無事合格し入学。星羅は高校時代からバイトしていた郵便局で正社員として働いている。私が短大を卒業して製菓工房に就職して生活が落ち着いた付き合って七年目記念日の日に星羅にプロポーズされて入籍した。今は子供も生まれて育児に仕事に大忙し。充実した毎日を送っている。
　綾音はあの日から約一年ほど少年院で生活して今は自立しているらしい。一緒に卒業することは出来なかったし、謝罪もされていないが私達は全く気にしていない。むしろほんのすこーしだけ感謝していたりする。あの日、事件が起きていなければ気持ちを伝えられなかった気がするから。でも、他人に迷惑をかけた点ではもう、一発殴らせてほしいとたまに思ったりもする。
　あの日、星羅が私のことを見つけてくれて私が憧れる居場所を見つけさせてくれたから今、幸せでいられる。そして、星羅が私に弱く繊細な姿を見せてくれて、私のことを助けてくれたからずっと一緒にいることができる。少しでもすれ違っていたら想像すらできなかった未来。二人だから見ることの出来た景色。
　これからも末永くよろしくね、星羅。そして、私達の希望、美羅。