もういやだ。そう思ったらプツンとなにかが切れた。ここは私の通う公立中学校。
私がいなくなっても誰もなにも思わないだろう。気がついたら屋上にいた。
一人を貫いてきた私にもちゃんとした理由があるけど、もうどうだっていい。
ガチャ。
「おいおいまじかよ。そういう事するやつほんとにいるんだな。」
星羅がいる。一人でいるなんて珍しい。ま、どうでもいいや。
「おいって!話しようぜ、俺はお前のことが嫌いだ。だから、お前のことを教えてくれ。助けてほしいならはっきりそういえよ。」
こいつのこういうところが嫌い。
「奇遇だね。私もあんたのことが嫌いだよ。あんたに限らずこの世のみんな嫌い。」
ぐいっと腕を引っ張られた。
「ちょっと、話しかけてきたのはそっちでしょ?なにすんの。」
「お前が助けてって言わないから勝手に助けた。それだけだけど?」
ああ、癪に障る。
「まあいいや、こんなことすんなよ。」
そう言って彼は去っていった。
 あの日以来星羅が積極的に話しかけてくるようになった。
勉強教えてだとか、一緒に部活行こうとか。
そんなこんなで星羅と一緒にいることが多くなった。
 そんなある日、彼から聞かされるとは思ってもいなかったことを告げられた。
「俺、彼女出来たんだよね。ほら、テニス部の同級生の大元綾音。」
「ふーん。よかったね。」
その時は軽く流した。だってこんなふうに話すことも少なくなるなんて思ってもなかったから。