「今日もいいねぇ。このごはん。うまみが湧き出すぎ!!愛彩、食べてみ。」
「いつも通りのごはんでしょ。」
そう言ってため息をつく。いつも言葉を変えてそんなことを言うから、飽きてきたのに。まだ言ってる。おばあちゃんもあきれてるのにね。
「ふふっ!言えてる。あきれたかおしないでよ~。」
「あやは顔に出やすいからね~。美代とおんなじだわ。」
「えぇぇ!顔に出ないように頑張ったのに!!もうっ!」
「かぁーわいい♡あーや!」
美代とは、私たちのお母さん。とても美人で…。うらやましい。写真の中でもキラキラと輝いている。昔、学校でも評判だったらしい。いわゆる、愛衣ってことか。彼氏もいるし。
「じゃあ、先に学校出発いたすぞぉ!!では。」
「青春いいねぇ。あんな風に戻りたい…。」
ヤバい。おばあちゃんのほわほわ妄想モード!!これが続くと、いつの間にか私も巻き込まれるから。逃げるか。
「じゃ…私も、そろそろぉ…」
「ねえ、あや。あやちゃんも青春してるよね~。いいなぁ。」
「…じゃあ、いってきます!!」
逃げるように家を出る。危機一髪!!ってこんな時に使うよね。巻き込まれそうになるほど私は油断してたのかな。危ない危ない。セーフ!!