今日の朝はとてもいい天気。なのに、いつものようにはワクワクしない。だって、事故から十三年目だから。私は、霜月愛彩。港吹西高校一年生。十五歳。部活は、読書部。ポニーテールをした、長い髪が自慢。旅行なんて、しなくてもいいのに。お母さんとお父さんは、年に一度だけ二人で旅行に行っていた。子供を置いていくなんて、ありえないよね。ひどすぎる。
「愛彩!今日さ、事故から十三年目だね。朝からこんな話ごめんね。ばあちゃんに聞いた。忘れとったわw私って、バカだよねー。もう天国にいるよね。はぁ~。どうにかして会えんかな…。話したいことたくさんあるし。」
「もう知ってたし。」
「知ってたの?!天才ちゃんじゃないの!!まぁまぁ。」
朝からうるさいこの人は、私のお姉ちゃん、霜月愛衣。県内トップ校の港吹高校二年生。私が受験したのに、ぎりぎりで無理だった高校である。調理部兼茶道部。謎の行動をたまにする。その時、「宇宙からの発信をお聞きしておるのであるぞ。」と意味わからないことを言う。そんなわけないのにね。
「あい、あや。学校遅れるわよぉ。はよう食べんとぉ。」
「「はいはい。」」
なぜか、それだけはそろう。いやだ。