ふぅーお腹いっぱい。
「次どこ行く?渚」
もー奏は元気いっぱいだなぁ
「どこ行こうかな」
「私の家来ない?」
「いいの?!行く行く!」
汚いけどね

「部屋で待ってて」
「うん!分かった!」
家に着いてからも元気いっぱいな奏。
最近だんだん幼児っぽくなってるような気がする。本人いわく甘えたいらしい。
「ジュース何がいい?」
「りんごジュースがいい!」
「OK」
「じゃあ私もりんごジュースにしよ」
「はい」
「ありがと」
「トランプでもするか」


久しぶりにやったような気がした。
すごく楽しい。
奏がいるからかな?
奏がいるだけで周りは楽しくなるし、嬉しくなる。奏は褒め上手だから。
奏の周りにいる人は幸せに満ちていく。そう、感じる。私だってそうだ。
奏と出会うまでは毎日毎日楽しくなかった。

奏と出会った日、小学1年生の時、私は死のうと思っていた。生きる意味なんてない。ただ生まれてきてしまったから生きてるだけ。そう考える日が多くなったから。だから学校の屋上に立って死のうと思った。
でも、上手くいかなかった。
奏が、引き止めたから。奏が私の手を引っ張ったから。
死ねなかった。
手を引っ張られた数秒後に抱きしめられた。まだ喋ったことのない男の子に。
私はびっくりしたけど奏は落ち着いた顔で「なにしてるの?そんなところで。明らかに死のうとしてたことは知ってるけど。」
小1っぽくないと思った。
だけどその中に私も入っている。
この2人は小1っぽくないのだ。
もっと幼くなればいいのに。
そう親にも言われ続けていた。