咲桜の隣で、あたしは呆れながら親友を観察していた。

本当に咲桜って女の子だったんだ……。

小学生のとき転校してからこちら、男らしくてカッコいい咲桜を十分に見て来たから、こんな頬を染めたりする咲桜は初めて見る。

意外ではあるけど、神宮先生相手ならばいい気がする。

頼の言っていたことじゃないけど、咲桜は同性に人気がある。

咲桜がいつも一緒にいるあたしが少しやっかまれるくらいだ。

そのくらい気にしないけど。

咲桜が男子に騒がれていないのは、その容姿の大人しさから、派手に目立つ子ほど注目されていないのもあるけど、『日義の飼い主』という通り名のせいだ。

意味はそのまんま。

……心配、いらなかったかな。

咲桜に彼氏が出来ること、一つだけあたしには心配があったけど、無用だったみたい。

………。

見ているうちに呆れが勝って半眼になってしまった。

若干どころかかなりキレてる先生の、どこに頬を染める要素があるんだ。

……親友だけど、咲桜の恋心はよくわからなかった。