その帰り道のこと。
「家を買ったていうのは、商談が上手くいったという事ね」
「ええ、納入が決まりました」
「そうなの、良かったね、これでパーティーは解散かな」
「いいえ、オルガさんさえ嫌でなければ、冒険者を続けたいと思います」
「それは、どうしてかな?」
「調味料作りが、どこまでうまくいくか分かりませんから」
「まあ、そうだよね」
「ただあまり危険は冒したくないので、考えたのですが」
「どんなこと?」
「森で採って来た山菜や果物を、買取ってくれるとことはありますか?」
「えぇ、青果市場で買取ってもらえると思うわ」
「ではそうやって二人で生計を立てていきませんか」
「えっ、ふた、ふた、二人で?」
オルガさんがいくら強いといっても、必ず勝てるとは限らない。
冒険者なんてやっていたら、いつ死んでもおかしくいない。
特に俺なんかじゃ駄目だ。
死亡フラグ満載だ。
だから違う仕事を見つければいいんだ。
「オルガさんは冒険者が好きですか?」
「他に生活するのに、できることがないからやっているだけかな」
「だから山の幸を採って、生計を立てられれば安全でしょう。それに森に入れば魔獣や魔物に合う事もあります。その時は討伐するのも良いかもしれません」
「そ、そうね」
「では、いくらで買取ってもらえるのか、青果市場に行ってみましょう」
俺達は青果市場に来ている。
青果市場は繁華街の側にあり、飲食店の人が買い物に行きやすくなっている。
市場に入ると野菜や穀物が並び、果物はほんの僅かだ。
どこで買ってくれるのか分からない。
仕方ない、誰かに聞くか。
俺は売り場のところにいる、ちょっと体格のいいおばさんに声を掛けた。
「すみません、果物はどこで買取してもらえるのでしょうか?」
「あぁ、果物の買取はここで、できるよ。なにを売りたいんだい?」
「ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワです」
「ほう、今が旬の果物だね、どこにあるんだい」
「ここです」
俺は首から下げているポーチを軽く叩いて見せた。
「マジック・バッグ持ちかい。ならここに出しておくれ」
俺は言われたテーブルに果物を出した。
「おぉ、こんなにかい!」
おばさんは、驚いていた。
ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワは、バケツ一杯分くらいづつあった。
「これは、状態がとても良いね。まるで今、採ったみたいだよ」
おばさんは何やら考えてから言った。
「ブルーベリーは6千円。さくらんぼとビワで6千円。イチジクは4千円。全部で16,000円でどうだい?」
う~ん。高いのか安いのかが分からない。
俺が悩んでいるように見えたのか、おばさんが言ってくる。
「私の買取は高い方なんだけどね。じゃ、思い切って17,000円でどうだい?」
「エリアス君、その金額で十分よ」
オルガさんに言われ、俺は納得した。
1日17,000円稼げた。
2人で採って売れば1人、8,500円。
この世界の平均日給が3,000円だから、冒険者をやらなくてもやっていける。
だが何かの時のために、貯えも必要だな。
今の内から貯えて行かないと老後、困るだろうし。
年金もないこの世界では、働けなくなったら終わりだから。
果物採取メインで、魔物に会うことがあれば討伐を考えればいい。
これでなんとか、生活の目途が付いたな。
また来ることを伝え俺達は名前を名乗った。
おばさんはダニエラさんと言う名前だった。
買い取る値段は一律ではなく人によって変わるから、私に売るんだよて言われた。
たくさん採れるようなら、果物を売る商人でやっていけるかな。
それから帰りに2人でアバンス商会に寄った。
店の中に声をかけるとこの前、来た時の40代くらいの女性ではなく、50代くらいの恰幅の良い男性が出て来た。
オルガさんは物珍しそうに、中をキョロキョロと覗いていた。
普段なら商会なんて、来ないものな。
お金が入って気が大きくなり、小麦粉を100kg。
椎茸と鰹節もたくさん買ってしまった。
やはり駄目ですね。
普段、持ちなれないお金を持つと。
「失礼ですが、そんなに小麦粉を買われて、どうされるのでしょうか?」
「調味料を作るんですよ」
「調味料ですか?」
「えぇ、新しい調味料で『なごみ亭』という宿屋では、もう使っています」
「ほう、そうですか。では今度、食事に行ってみますかな」
『なごみ亭』は食堂も兼ねているので、食事のみでも飲食可能だった。
「ではこれで失礼します」
そう言って俺はストレージに小麦粉100kg、椎茸と鰹節を収納した。
「そ、それは!」
男の店員さんが驚いている。
商会の人なら珍しくないと思うけど。
「それはマジック・バッグでしょうか!!」
店員さんが叫ぶように言う。
顔がとても近かった。
「家を買ったていうのは、商談が上手くいったという事ね」
「ええ、納入が決まりました」
「そうなの、良かったね、これでパーティーは解散かな」
「いいえ、オルガさんさえ嫌でなければ、冒険者を続けたいと思います」
「それは、どうしてかな?」
「調味料作りが、どこまでうまくいくか分かりませんから」
「まあ、そうだよね」
「ただあまり危険は冒したくないので、考えたのですが」
「どんなこと?」
「森で採って来た山菜や果物を、買取ってくれるとことはありますか?」
「えぇ、青果市場で買取ってもらえると思うわ」
「ではそうやって二人で生計を立てていきませんか」
「えっ、ふた、ふた、二人で?」
オルガさんがいくら強いといっても、必ず勝てるとは限らない。
冒険者なんてやっていたら、いつ死んでもおかしくいない。
特に俺なんかじゃ駄目だ。
死亡フラグ満載だ。
だから違う仕事を見つければいいんだ。
「オルガさんは冒険者が好きですか?」
「他に生活するのに、できることがないからやっているだけかな」
「だから山の幸を採って、生計を立てられれば安全でしょう。それに森に入れば魔獣や魔物に合う事もあります。その時は討伐するのも良いかもしれません」
「そ、そうね」
「では、いくらで買取ってもらえるのか、青果市場に行ってみましょう」
俺達は青果市場に来ている。
青果市場は繁華街の側にあり、飲食店の人が買い物に行きやすくなっている。
市場に入ると野菜や穀物が並び、果物はほんの僅かだ。
どこで買ってくれるのか分からない。
仕方ない、誰かに聞くか。
俺は売り場のところにいる、ちょっと体格のいいおばさんに声を掛けた。
「すみません、果物はどこで買取してもらえるのでしょうか?」
「あぁ、果物の買取はここで、できるよ。なにを売りたいんだい?」
「ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワです」
「ほう、今が旬の果物だね、どこにあるんだい」
「ここです」
俺は首から下げているポーチを軽く叩いて見せた。
「マジック・バッグ持ちかい。ならここに出しておくれ」
俺は言われたテーブルに果物を出した。
「おぉ、こんなにかい!」
おばさんは、驚いていた。
ブルーベリー、さくらんぼ、イチジク、ビワは、バケツ一杯分くらいづつあった。
「これは、状態がとても良いね。まるで今、採ったみたいだよ」
おばさんは何やら考えてから言った。
「ブルーベリーは6千円。さくらんぼとビワで6千円。イチジクは4千円。全部で16,000円でどうだい?」
う~ん。高いのか安いのかが分からない。
俺が悩んでいるように見えたのか、おばさんが言ってくる。
「私の買取は高い方なんだけどね。じゃ、思い切って17,000円でどうだい?」
「エリアス君、その金額で十分よ」
オルガさんに言われ、俺は納得した。
1日17,000円稼げた。
2人で採って売れば1人、8,500円。
この世界の平均日給が3,000円だから、冒険者をやらなくてもやっていける。
だが何かの時のために、貯えも必要だな。
今の内から貯えて行かないと老後、困るだろうし。
年金もないこの世界では、働けなくなったら終わりだから。
果物採取メインで、魔物に会うことがあれば討伐を考えればいい。
これでなんとか、生活の目途が付いたな。
また来ることを伝え俺達は名前を名乗った。
おばさんはダニエラさんと言う名前だった。
買い取る値段は一律ではなく人によって変わるから、私に売るんだよて言われた。
たくさん採れるようなら、果物を売る商人でやっていけるかな。
それから帰りに2人でアバンス商会に寄った。
店の中に声をかけるとこの前、来た時の40代くらいの女性ではなく、50代くらいの恰幅の良い男性が出て来た。
オルガさんは物珍しそうに、中をキョロキョロと覗いていた。
普段なら商会なんて、来ないものな。
お金が入って気が大きくなり、小麦粉を100kg。
椎茸と鰹節もたくさん買ってしまった。
やはり駄目ですね。
普段、持ちなれないお金を持つと。
「失礼ですが、そんなに小麦粉を買われて、どうされるのでしょうか?」
「調味料を作るんですよ」
「調味料ですか?」
「えぇ、新しい調味料で『なごみ亭』という宿屋では、もう使っています」
「ほう、そうですか。では今度、食事に行ってみますかな」
『なごみ亭』は食堂も兼ねているので、食事のみでも飲食可能だった。
「ではこれで失礼します」
そう言って俺はストレージに小麦粉100kg、椎茸と鰹節を収納した。
「そ、それは!」
男の店員さんが驚いている。
商会の人なら珍しくないと思うけど。
「それはマジック・バッグでしょうか!!」
店員さんが叫ぶように言う。
顔がとても近かった。