もう解体は終わったかな?
そう思いながら冒険者ギルドの買取カウンターにいるマッスルさんに声をかける。
「マッスルさん、ワイルドボアの解体は終わりましたか?」
「おぉ、終わっているぞ。肉以外は買取で良いんだな?」
「実は魔石もほしいのです」
「魔石をどうするんだ?」
「シルバーが欲しがっているので」
「使役している魔物か…。まあいいが、それだと引き取る素材が少ないから、解体料を引くとだいぶ安くなるぞ」
「おいくらですか?」
「まあ、毛皮や牙だけだから5万と言うところだな」
「それで構いません」
「そこで相談なんだが、肉を少し分けてくれないか?」
「肉ですか?」
「そうだ。肉は需要が多くて供給が間に合わない。今回のワイルドボアの肉は220kgもある。色を付けるから、その半分で良いから売ってくれないか?」
「わかりました。売ります」
「それはありがたい。それでは買取価格は全部で16万円だ。受け取ってくれ」
肉は半分なら110kg、買取金額は100g100円というところね。
私は渡された硬貨を数えストレージに収納する。
「はい、確かに頂きました」
「じゃあ、肉を渡すからこちらに来てくれ」
そう言われ私は解体場のドアを開けた。
「ほれ、そこにあるから持って行ってくれ」
置いてあった残りの生肉と、5cmくらいの魔石をストレージに収納した。
「マッスルさん、追加で買取をお願いします」
「いいぞ。そこに出してくれ」
「では、お願いします」
そう言うと私は魔物をストレージから出していく。
「おぉ、ホーンラビットか。まだあるのか?ポイズンスネーク、ジャイアントスパイダー、それにレッドクラブか?!」
「それも魔石以外の買取をお願いします」
「わかった。夕方には出来るぞ」
「夕方は店があって忙しいので…」
「なんだ、店をやってるのか。冒険者なんてやってないで、店に専念したらどうなんだい?」
「そうすると使役しているシルバーと離れないといけないので…」
「そうか、そのために冒険者を続けるのか」
「えぇ、でもシルバーはもう家族ですから」
「優しいんだな、スズカさんは」
「そんなことないですよ。ではまた明日」
「あぁ、また明日な」
冒険者ギルドを出てヤルコビッチさんのお店に再び向かう。
「ヤルコビッチさん!お肉をお持ちしました」
「ありがとうございます、スズカさん。何度も来て頂いてすみません」
「いいんですよ。ヤルコビッチさんには、お世話になってますから。お肉は何kgくらい必要ですか?」
「できれば1kg分けて頂けないでしょうか?それだけあれば何日か食べれますから」
1kgと言うとハンバーグのレギュラーが約160g。
ジャンボサイズで240gだから1kgはそれの四枚分。
保存方法を考えたらそれで充分ね。
「わかりました、大丈夫です。台所をお借りいたします」
「どうぞ、お使いください」
台所に入りストレージから、転移してきたときに購入した包丁を取り出す。
まな板に肉を出し切り分けようと思ったけど、計量器がないから1kgの量がわからない。
ええい、スーパーで購入するパックの肉のイメージでいいわね。
少し多めにと…。
切り分けた肉を皿にのせ奥さんのリリーに渡す。
「はい、どうぞ」
「まあ、こんなに?!」
「サービスです」
「スズカさん。おいくらですか?」
冒険者ギルドの買取金額は100g100円だったから同じで良いかしら。
「はい、1,000円です」
「1,000円?!スズカさん、いくらなんでも安すぎます」
「そうですか?」
「もしかしたら冒険者ギルドの買取価格を基準にしていませんか?」
「えぇ、そうです」
「やはりそうでしたか。店頭に並ぶ時には最低でもその3倍になります。それでも肉が手に入るなら安いものです」
「わかりました。では3,000円でいいでしょうか?」
「それでいいのですか?」
「もちろんです」
「では、それでお願いします」
また肉が欲しい時は言ってくださいね、と言い残しスズカは店を後にした。
しかし置いて行った肉は、どう見ても3~4kgはあった。
それを見たヤルコビッチは思った。
世間を知らなすぎると…。
そして更にヤルコビッチ、いいや、ヤルコビッチ夫婦の、庇護欲をかき立てるのには十分であった。
そう思いながら冒険者ギルドの買取カウンターにいるマッスルさんに声をかける。
「マッスルさん、ワイルドボアの解体は終わりましたか?」
「おぉ、終わっているぞ。肉以外は買取で良いんだな?」
「実は魔石もほしいのです」
「魔石をどうするんだ?」
「シルバーが欲しがっているので」
「使役している魔物か…。まあいいが、それだと引き取る素材が少ないから、解体料を引くとだいぶ安くなるぞ」
「おいくらですか?」
「まあ、毛皮や牙だけだから5万と言うところだな」
「それで構いません」
「そこで相談なんだが、肉を少し分けてくれないか?」
「肉ですか?」
「そうだ。肉は需要が多くて供給が間に合わない。今回のワイルドボアの肉は220kgもある。色を付けるから、その半分で良いから売ってくれないか?」
「わかりました。売ります」
「それはありがたい。それでは買取価格は全部で16万円だ。受け取ってくれ」
肉は半分なら110kg、買取金額は100g100円というところね。
私は渡された硬貨を数えストレージに収納する。
「はい、確かに頂きました」
「じゃあ、肉を渡すからこちらに来てくれ」
そう言われ私は解体場のドアを開けた。
「ほれ、そこにあるから持って行ってくれ」
置いてあった残りの生肉と、5cmくらいの魔石をストレージに収納した。
「マッスルさん、追加で買取をお願いします」
「いいぞ。そこに出してくれ」
「では、お願いします」
そう言うと私は魔物をストレージから出していく。
「おぉ、ホーンラビットか。まだあるのか?ポイズンスネーク、ジャイアントスパイダー、それにレッドクラブか?!」
「それも魔石以外の買取をお願いします」
「わかった。夕方には出来るぞ」
「夕方は店があって忙しいので…」
「なんだ、店をやってるのか。冒険者なんてやってないで、店に専念したらどうなんだい?」
「そうすると使役しているシルバーと離れないといけないので…」
「そうか、そのために冒険者を続けるのか」
「えぇ、でもシルバーはもう家族ですから」
「優しいんだな、スズカさんは」
「そんなことないですよ。ではまた明日」
「あぁ、また明日な」
冒険者ギルドを出てヤルコビッチさんのお店に再び向かう。
「ヤルコビッチさん!お肉をお持ちしました」
「ありがとうございます、スズカさん。何度も来て頂いてすみません」
「いいんですよ。ヤルコビッチさんには、お世話になってますから。お肉は何kgくらい必要ですか?」
「できれば1kg分けて頂けないでしょうか?それだけあれば何日か食べれますから」
1kgと言うとハンバーグのレギュラーが約160g。
ジャンボサイズで240gだから1kgはそれの四枚分。
保存方法を考えたらそれで充分ね。
「わかりました、大丈夫です。台所をお借りいたします」
「どうぞ、お使いください」
台所に入りストレージから、転移してきたときに購入した包丁を取り出す。
まな板に肉を出し切り分けようと思ったけど、計量器がないから1kgの量がわからない。
ええい、スーパーで購入するパックの肉のイメージでいいわね。
少し多めにと…。
切り分けた肉を皿にのせ奥さんのリリーに渡す。
「はい、どうぞ」
「まあ、こんなに?!」
「サービスです」
「スズカさん。おいくらですか?」
冒険者ギルドの買取金額は100g100円だったから同じで良いかしら。
「はい、1,000円です」
「1,000円?!スズカさん、いくらなんでも安すぎます」
「そうですか?」
「もしかしたら冒険者ギルドの買取価格を基準にしていませんか?」
「えぇ、そうです」
「やはりそうでしたか。店頭に並ぶ時には最低でもその3倍になります。それでも肉が手に入るなら安いものです」
「わかりました。では3,000円でいいでしょうか?」
「それでいいのですか?」
「もちろんです」
「では、それでお願いします」
また肉が欲しい時は言ってくださいね、と言い残しスズカは店を後にした。
しかし置いて行った肉は、どう見ても3~4kgはあった。
それを見たヤルコビッチは思った。
世間を知らなすぎると…。
そして更にヤルコビッチ、いいや、ヤルコビッチ夫婦の、庇護欲をかき立てるのには十分であった。