私はシルバーの背に乗り王都を目指している。
薬草採取で思った以上に遠くに来ており、夕食の時間に間に合わないからだ。
しかしシルバーは早い。
多分、時速30~40kmくらいは出ていると思う。
車に乗ったことがある私だから怖くないけど、きっとこの世界の人なら風を受けると更に速度感が増し怖いと思うに違いない。
あぁ、城門が見えて来たわ。
セサルの村から王都まで歩いて3日と言ってたから、きっと1日6時間歩いても3日間なら70kmくらいかな?
シルバーが30~40kmで走れば、片道2~2.5時間くらいで行くことが出来るわ。
また今度、お肉のお土産を持って行ってみようかな。
私達は城門に入る列に並ぶ。
他に並んでいる人達は私達を遠巻きにして、驚愕の目で見ている。
「やあ、お嬢ちゃんかい。あまりみんなを、驚かさないでくれよ」
そう言うのは門番さんだ。
そう言われても、驚かすつもりはありません。
私達は城門の中はリードを付け歩いて行く。
道行く人達は見慣れた人も居て子供達が寄ってくる。
意外とシルバーは子供達には人気がある。
やはりモフモフに勝るものは無いと言うことかな。
そんな事を思いながら店に向かう。
すると店の壁に貼っておいた犬と猫の絵とスプーンとフォークを描いた、お店のポスターが剥がされ無くなっていた。
う~ん。
コピー用紙をセロテープや画鋲で、留めるだけではやはり無理ね。
今度、お金に余裕が出来たら、ちゃんとした看板を作ろうかしら。
そんな事を考えていたら15時の大聖堂の鐘が鳴った。
今回から洗い物をしなくていい様に、木皿ではなく紙皿で出すことにした。
紙皿なら洗う手間が無く、単価も安く薪の火種にもなるから良いわ。
すると冒険者パーティ『愛のダリーナ』と『燃える闘魂』のジョヴァンニさん達が食べに来てくれた。
「スズカさん、ワンコスペシャルを頼むよ!!」
「俺はニャンコスペシャルだ」
「はい、かしこまりました」
そして紙皿にご飯を乗せ手渡す、ジョヴァンニさんがとても驚いていた。
「こ、これはシズカさん?!このお皿は紙でしょうか?」
「えぇ、そうです。今回から紙皿にすることにしました。これなら捨てれば良いだけですから(木皿だと洗うのが面倒なので)」
「え?捨てるのですか?!」
「そうです。再利用はしません(洗い物が嫌だから紙皿なんです)」
「なぜ、捨てるのですか?!」
「なぜと言うと?」
「紙ですよね?しかもこんなに白く綺麗な色をしている…」
「まあ、紙ですから(白いですよね)」
「それを捨てると言うのですか?!(こんな高価な物を)」
「そうです、紙ですから…」
「紙だから捨てないのでは?」
「は?どうしてですか。紙を洗って使うと言う話は聞いたことがありません」
「そうですね。元々、紙は洗いませんよね」
「そうでしょう」
「では、この紙皿は頂いてもよろしいでしょうか?」
「え?構いませんよ。どうせ捨てるだけですから」
「本当にいいのですね?」
「勿論です(持っている意味が分かりません)」
「では頂いて帰ります」
「あ~、はい、どうぞ」
私がそう言うとジョヴァンニさん達は、宝物のように紙皿を懐に仕舞った。
そこからが大変だった。
ジョヴァンニさん達が帰った後、店にたくさんの獣人の人が押し掛け紙皿を持って帰った。
入って来ていきなり『紙皿』と言う人も居たほどだ。
大半の獣人は紙皿を胸に抱き嬉しそうに帰って行く。
スズカは知らなかった。
食事を終え冒険者ギルドに戻った獣人が人族に、紙皿を自慢するかのように見せびらかしていたことを…。
それを見た人族は思った。
この国では紙はとても高価で貴重な物。
しかもこんなに真っ白な紙は見たことが無い…。
それを人族ではなく異種族と見下していた、獣人専門の食堂で配っていると。
獣人達が生れてはじめて人族に、優越感を抱いた瞬間だった。
薬草採取で思った以上に遠くに来ており、夕食の時間に間に合わないからだ。
しかしシルバーは早い。
多分、時速30~40kmくらいは出ていると思う。
車に乗ったことがある私だから怖くないけど、きっとこの世界の人なら風を受けると更に速度感が増し怖いと思うに違いない。
あぁ、城門が見えて来たわ。
セサルの村から王都まで歩いて3日と言ってたから、きっと1日6時間歩いても3日間なら70kmくらいかな?
シルバーが30~40kmで走れば、片道2~2.5時間くらいで行くことが出来るわ。
また今度、お肉のお土産を持って行ってみようかな。
私達は城門に入る列に並ぶ。
他に並んでいる人達は私達を遠巻きにして、驚愕の目で見ている。
「やあ、お嬢ちゃんかい。あまりみんなを、驚かさないでくれよ」
そう言うのは門番さんだ。
そう言われても、驚かすつもりはありません。
私達は城門の中はリードを付け歩いて行く。
道行く人達は見慣れた人も居て子供達が寄ってくる。
意外とシルバーは子供達には人気がある。
やはりモフモフに勝るものは無いと言うことかな。
そんな事を思いながら店に向かう。
すると店の壁に貼っておいた犬と猫の絵とスプーンとフォークを描いた、お店のポスターが剥がされ無くなっていた。
う~ん。
コピー用紙をセロテープや画鋲で、留めるだけではやはり無理ね。
今度、お金に余裕が出来たら、ちゃんとした看板を作ろうかしら。
そんな事を考えていたら15時の大聖堂の鐘が鳴った。
今回から洗い物をしなくていい様に、木皿ではなく紙皿で出すことにした。
紙皿なら洗う手間が無く、単価も安く薪の火種にもなるから良いわ。
すると冒険者パーティ『愛のダリーナ』と『燃える闘魂』のジョヴァンニさん達が食べに来てくれた。
「スズカさん、ワンコスペシャルを頼むよ!!」
「俺はニャンコスペシャルだ」
「はい、かしこまりました」
そして紙皿にご飯を乗せ手渡す、ジョヴァンニさんがとても驚いていた。
「こ、これはシズカさん?!このお皿は紙でしょうか?」
「えぇ、そうです。今回から紙皿にすることにしました。これなら捨てれば良いだけですから(木皿だと洗うのが面倒なので)」
「え?捨てるのですか?!」
「そうです。再利用はしません(洗い物が嫌だから紙皿なんです)」
「なぜ、捨てるのですか?!」
「なぜと言うと?」
「紙ですよね?しかもこんなに白く綺麗な色をしている…」
「まあ、紙ですから(白いですよね)」
「それを捨てると言うのですか?!(こんな高価な物を)」
「そうです、紙ですから…」
「紙だから捨てないのでは?」
「は?どうしてですか。紙を洗って使うと言う話は聞いたことがありません」
「そうですね。元々、紙は洗いませんよね」
「そうでしょう」
「では、この紙皿は頂いてもよろしいでしょうか?」
「え?構いませんよ。どうせ捨てるだけですから」
「本当にいいのですね?」
「勿論です(持っている意味が分かりません)」
「では頂いて帰ります」
「あ~、はい、どうぞ」
私がそう言うとジョヴァンニさん達は、宝物のように紙皿を懐に仕舞った。
そこからが大変だった。
ジョヴァンニさん達が帰った後、店にたくさんの獣人の人が押し掛け紙皿を持って帰った。
入って来ていきなり『紙皿』と言う人も居たほどだ。
大半の獣人は紙皿を胸に抱き嬉しそうに帰って行く。
スズカは知らなかった。
食事を終え冒険者ギルドに戻った獣人が人族に、紙皿を自慢するかのように見せびらかしていたことを…。
それを見た人族は思った。
この国では紙はとても高価で貴重な物。
しかもこんなに真っ白な紙は見たことが無い…。
それを人族ではなく異種族と見下していた、獣人専門の食堂で配っていると。
獣人達が生れてはじめて人族に、優越感を抱いた瞬間だった。