恋、というものに気付いてからめっきり、湊と学校で話す時間が減ってしまった。


元々、クラスが違うとはいえ登校する時間にプラスして学校でも廊下で会うときには話していたし、図書委員である彼に、良い本を教えてもらおうと積極的に話しかけていたと思う。


告白を断ってしまったあの日からしばらく経ち、湊も吹っ切れて「当たり前」の日々が戻ろうとしていた時だ。



恋心に気付いてしまったのは。



嬉しそうに本を紹介する湊が窓から降り注ぐ太陽に照らされて一際輝いているように見える。
今思えば、あの頃から私は恋していたのかもしれない。


湊への罪悪感で自ら話すきっかけを無くしてしまった。


何かを察すような湊の顔が忘れられない。


どうか、待っていて、行かないで、

高校卒業と同時に離れてしまう、それまでに伝えたい。
そう願っても一歩踏み出せない、もどかしく、自分勝手、このわがままを許してほしいと思う。


ただ、あなたが好きだから。