「たちの悪い悪霊だ。人の心の隙間に入り込む」
リアムの広い胸に抱かれ、その心地よく響く声を耳元で聞いていたら、さっきまでの恐怖が薄れてきた。
「悪霊は不安な心を持つ人間が大好きだ」不安な心?リアムの顔を見上げると、まだ私の涙が残っていたのか、リアムの長い指が私の頬をぬぐう。
「元の世界に戻りたいか?」そう聞かれて黙ってしまう。
気持ちが中途半端だから、悪霊に狙われるんだね。
「リナのピアノをもう一度聴きたい。心に響く演奏だった」
「ありがとう」
「また弾いてくれるかい?」
「もちろん。シルフィンに魔法をかけてもらわなきゃ」やっと会話ができるようになり、安心したのかリアムは目を閉じて私をきつく抱きしめた。
「俺は戻ってほしくない」
「リアム」
「わがままだと思う。でも、リナにはここに居て欲しい」
「国を救う為?王の妃になる為?」自虐気味に言うと、いきなりリアムは私の身体をクルリとあお向けにして、自分は真剣な顔をして私の上に体勢を持ってくる。
天井と私の間にリアムの顔がある。
男らしい端整な顔。
「俺の為に……そう言ったら怒るか?」
大好きな人の真剣な表情と声に、酔ってしまいそうな自分がいる。
「ずっとそばに居て欲しい。王の婚約者とわかってる。大切な我が国の救世主というのもわかってる。でも俺は……リナを愛してる」
「リアム」
「全てを捨てていい。リナが欲しい」
甘いキスが降りてきた。
「愛してる」彼の甘い声と唇を味わう。
「誰にも渡したくない。俺だけのリナでいて欲しい」
胸元のボタンがひとつずつ外されて、大きな手が素肌を包む。
「嫌か?」
不安そうな子供のような声。俺様ドSな騎士団長らしくない声に笑ってしまう。
嫌なわけがない。
私も愛してる。心から愛してる。
「リアムが好き」
「後悔しないか?王への反逆罪に当たるぞ」
「リアムは後悔する?」
「このままリナを手放す方が後悔する。俺のリナは誰にも渡さない」
「私も後悔しないよ」
ずっと一緒だよ。ずっとずっとあなたと一緒にいたい
何があろうと離れたくない。
リアムの広い胸に抱かれ、その心地よく響く声を耳元で聞いていたら、さっきまでの恐怖が薄れてきた。
「悪霊は不安な心を持つ人間が大好きだ」不安な心?リアムの顔を見上げると、まだ私の涙が残っていたのか、リアムの長い指が私の頬をぬぐう。
「元の世界に戻りたいか?」そう聞かれて黙ってしまう。
気持ちが中途半端だから、悪霊に狙われるんだね。
「リナのピアノをもう一度聴きたい。心に響く演奏だった」
「ありがとう」
「また弾いてくれるかい?」
「もちろん。シルフィンに魔法をかけてもらわなきゃ」やっと会話ができるようになり、安心したのかリアムは目を閉じて私をきつく抱きしめた。
「俺は戻ってほしくない」
「リアム」
「わがままだと思う。でも、リナにはここに居て欲しい」
「国を救う為?王の妃になる為?」自虐気味に言うと、いきなりリアムは私の身体をクルリとあお向けにして、自分は真剣な顔をして私の上に体勢を持ってくる。
天井と私の間にリアムの顔がある。
男らしい端整な顔。
「俺の為に……そう言ったら怒るか?」
大好きな人の真剣な表情と声に、酔ってしまいそうな自分がいる。
「ずっとそばに居て欲しい。王の婚約者とわかってる。大切な我が国の救世主というのもわかってる。でも俺は……リナを愛してる」
「リアム」
「全てを捨てていい。リナが欲しい」
甘いキスが降りてきた。
「愛してる」彼の甘い声と唇を味わう。
「誰にも渡したくない。俺だけのリナでいて欲しい」
胸元のボタンがひとつずつ外されて、大きな手が素肌を包む。
「嫌か?」
不安そうな子供のような声。俺様ドSな騎士団長らしくない声に笑ってしまう。
嫌なわけがない。
私も愛してる。心から愛してる。
「リアムが好き」
「後悔しないか?王への反逆罪に当たるぞ」
「リアムは後悔する?」
「このままリナを手放す方が後悔する。俺のリナは誰にも渡さない」
「私も後悔しないよ」
ずっと一緒だよ。ずっとずっとあなたと一緒にいたい
何があろうと離れたくない。