「俺が守る必ず守る。信じてほしい」
「リアム」
「必ず守る」
 そう宣言してからリアムの顔が近づき、唇を重ねて情熱的なキスをする。
 彼の舌が私の舌に絡み求める。熱い吐息が息苦しく甘く、幸せで泣きたくなるけれど、急にリアムは身体を離して「王の婚約者に……すまない」と言った。
 王の婚約者。
「今日はゆっくり休みなさい」そんな優しい声が静かにフェードアウトして、私は足元が揺らぎ意識も揺らぎ、身体を立て直すと、もう自分の部屋に戻っていた。手には剣をしっかり持っている。磨かれた刃に自分の顔を映す。救世主で王の婚約者の私だ。自分の唇を指先で触って、リアムの唇を思い出す。

 王の婚約者。
 今夜は色々ありすぎた。