急に来たアレックスの気配にフレンドは目を覚まして大喜び。
「リナと仲良くなってよかった」その背を撫でられ、フレンドはうっとりと満足顔。
 フレンドはアレックスが大好きで、いつの日か嫁になれると信じている。何でもアリのこの世界だから、否定はしないけど……難しい問題だ。おとぎ話を読みすぎたかもしれない。私の責任なら申し訳なさすぎる。
 今度はもう少しリアルなのを思い出して本にしよう。リアルなのってなんだろう。下町ロケット系の?いや通じないから、ハリーポッター系か。
「魔法の練習はどうかな?」
「えーっと……頑張ってます」
 努力はしている。うん。私の返事にアレックスは苦笑いする。結果は期待してないって顔に書いてますよ。
「アレックスはここに来て大丈夫?忙しくないの?」
「私より周りの方が忙しくて、主役は公務もないから暇だ。そうだ、リナはフレンドに乗ったかな?」
 フレンドに乗る?考えもしなかった。
「フレンド。私とリナを空に連れて行ってくれるかい?」
 アレックスがそう言うと、フレンドは鼻息を荒くして嬉しそうにうなずいた。