でも成功例もあった。
 急にフライドポテトが食べたくなって、お城の厨房のシェフの元にシルフィンと一緒に出かけた。
 この世界では揚げたじゃがいもはある。でもそれは丸ごと揚げているので、美味しいけれど食べにくくファーストフードのポテトが恋しくなってしまった。だからシェフの元に行き、包丁を借りてじゃがいもを細くスティック状にして揚げ、軽く塩をふってシルフィンとシェフに食べさせると美味しいと大評判となる。そしてシェフの妹が街の市場で売り出し、街にも広がりブームとなる。フライドポテトを国に広めた女……うーん微妙。

 もっと役に立つ物を広めたいものだけど、魔法の世界でなんでも解決してるから難しい。思い出すのは食べ物ばかりだった。次はアイスを広めようかな。焼き菓子は豊富にある。シュークリームやマカロンはタルトはあるけれどアイスがない。アイスってなんだっけ……卵と砂糖と牛乳?生クリーム?全部混ぜればいいんだっけ?後は何かあるかな……って、いつまでここに居るんだろう私。情けないわ。

 そしてこの世界に慣れるようにと、アレックスは私に魔法の勉強をするように命じた。
 私の先生はアレックスの指名でリアムになる。せめてシルフィンにして欲しかった。あのドSリアムに習うなんて嫌だ。街の子供と一緒に、学校へ行く方がまだましかもしれない。
 リアムだって自分の仕事が忙しいから断ったらしいけど、王の命令は絶対である。
 フレンドが空を飛んでる時間、リアムは部屋にやって来て私に魔法を教える。はっきり言うけど、総務で一般事務してた人間に魔法は使えませんから。