ふわりと到着したのはアレックスの部屋だろうか。お城はいっぱい部屋があるからわからない。瞬間移動は楽だけど慣れてないので歩きを希望します。お城に住んでる人たちは魔法を使う力が強いから、歩かなくてもいいのか。でも、リアムはお城に着いた時、一緒に歩いてアレックスの元に連れて来てくれた。私が慣れてないから合わせてくれたのかしら……って、リアムの事が頭から離れない私、どうしちゃったんだろう。しっかりしなきゃと、周りを見渡す。
 
 この部屋も最初に案内された部屋に似てるけど、天井は濃い青で星が沢山輝いていた。落ち着いたおしゃれな雰囲気だ。中央にある黄金の柱が印象的で、その後ろに小さなテーブルと椅子があり、正式なアフタヌーンティーで使われてそうな、三段重ねのトレイとティーポットが置いてあり、ピンクと黄色のスプレーバラが映えている。

「どうぞ」エスコートされてテーブルに着く。
 トレイの一番下はフルーツサンド、中央はプチシューとマカロン、一番上はタルト菓子。別のお皿に果物の盛り合わせとポタージュスープもあった。嬉しい幸せ。
 夢中になって食べる様子を見てアレックスは微笑む。王様って感じ。
 余裕があってイケメンで完璧。見惚れていると「フレンドとは上手くやれそうかい?」って聞かれたので「大丈夫です」と返事する。
「まだ子供の甘えん坊なので、リナも大変だと思うけど頑張って欲しい」
「はい。フレンドは男の子ですか?女の子ですか?」
「リナと一緒で可愛い女の子だよ」
「そうなんだ」
 聞いておいてよかった。また間違って泣かせるとこだった。
「不便はないかい?」
「はい。シルフィンもジャックも優しくて、お世話になってます」
「リアムは?」
「……リアムはいじわるです」
「リナとリアムはお似合いだけどね」
 アレックスは紅茶を注ぎながら私の顔を覗き込む。
 キラキラ王様。王様こそどうなんだろう。お妃さまはいないのかな。