「ジャックの能力は鳥になれるの?」
「はい。うちは代々その能力があって王様に使えてます。自分はリアム様に憧れて、魔法と剣の勉強をして騎士団に入りました」
 まーたリアムだよ。
「そんなにリアムがいいの?」
「尊敬してます」爽やかオーラで言われてしまった。
「さっきの神殿なんだけど、なんであんなにボロボロなの?崩れていて危ないよ。アレックスなら直せるのにらしくないね」
 ふとさっき思った事をジャックに聞くと返事が無かった。あら、まずい話をしてしまったか。
「あの……ごめんね変な質問して、答えたくなかったら……」
「いいんです。あれは去年、魔王に壊されました」
「魔王?」
「名前も出したくない話です」ハリーポッターの世界だ。
「王様はあいつの恐ろしい力を忘れないように、あの場所はそのままにしております」
「そんなに怖くて強いの?アレックスだって不可能はなくて完璧なんでしょう?」
「あいつは王様より強いです。あいつは子供が積み木を壊すように、簡単に人を殺し災害を起こし国を消滅させるでしょう」
 そんなに?なんか……さっきシルフィンの聞きそびれた話と繋がりそうで嫌な予感がする。
 話を聞きたいような、聞きたくないような不思議な気持ちが交差する。ジャックは私が聞かないせいなのか、それ以上何も言わなかった。

 帰りは田舎道を歩きながら、ジャックが私の世界を聞きたがるので、教えながら帰るとジャックのテンションが上がる。
「ネットって凄いですね!」
 ネットには食いついてくれたけど、電子レンジには食いついてこなかった。電子レンジは確かに魔法ができたら……いらないな。料理をするお母さんたちは冷凍肉も魔法で解凍できそうだもんね。スマホもどうだろう?スマホなんて流行らせたらアレックスが嫌な顔をしそう。いや……アレックスが一番ハマるかも。インスタをガンガン更新してイイねを気にして国務に響くかも。考えると楽しい。