「名前は何と言う?」王様がそう私に聞いてきた。
「宮本里奈です」
「リナ?いい名前だね」
「ありがとうございます」
「さて……リナはどこから来た?」
「私は……」
ここで本当の事を言っていいものか?何があるかわからない世界だから、本当の事を言えば、隣の男にバッサリ斬られる可能性もなきにしもあらず。私はこっそりエレベータの中でもらった赤い指輪の玉を、クルリと内側である手のひら側に隠して手を閉じた。
「私は、ここではない世界から飛んで来たと思います。エレベーターの中で気を失って、気付けば海岸でした」
「エレベーターとは?」
「エレベーターとは……えーっと……四角い箱で……」
エレベーターの説明から始めなきゃいけないのかいっ!たどたどしく説明してると、首筋に冷たいものが当たる。隣の男の鋭い剣だった。ギャー!!殺されるーー!!
「そんなものがあるわけがない!」頭っから全否定なの?絶対出世しないタイプだろう。
「あります!私があなたの待っていた救世主様じゃなくて悪かったけど、私だって好きで行き倒れになってたわけじゃないし、いきなりこんなわからない世界に来ちゃって……どうやって帰ればいいのかわからないし、大切な会議もあったし……不安でたまらなくて夢なら早く覚めてほしいし……剣もあなたの迫力も怖いし、ユニコーンは上から目線だしお腹空いてるし……結婚しようとおもってた男に捨てられるし……怒りたいのはこっちの方なんだんだから!」
怒り心頭で鋭い剣を持ってる男の腕を突き飛ばし私は怒鳴った。
怒りというより本当は泣きたい。
目が潤んで、知らないうちにポロリと大粒の涙が溢れる。すると「かわいそうに」と優しい声で王様は私を包み、長い人差し指で私の涙を触ると、涙は白い真珠に変わってしまった。
「宮本里奈です」
「リナ?いい名前だね」
「ありがとうございます」
「さて……リナはどこから来た?」
「私は……」
ここで本当の事を言っていいものか?何があるかわからない世界だから、本当の事を言えば、隣の男にバッサリ斬られる可能性もなきにしもあらず。私はこっそりエレベータの中でもらった赤い指輪の玉を、クルリと内側である手のひら側に隠して手を閉じた。
「私は、ここではない世界から飛んで来たと思います。エレベーターの中で気を失って、気付けば海岸でした」
「エレベーターとは?」
「エレベーターとは……えーっと……四角い箱で……」
エレベーターの説明から始めなきゃいけないのかいっ!たどたどしく説明してると、首筋に冷たいものが当たる。隣の男の鋭い剣だった。ギャー!!殺されるーー!!
「そんなものがあるわけがない!」頭っから全否定なの?絶対出世しないタイプだろう。
「あります!私があなたの待っていた救世主様じゃなくて悪かったけど、私だって好きで行き倒れになってたわけじゃないし、いきなりこんなわからない世界に来ちゃって……どうやって帰ればいいのかわからないし、大切な会議もあったし……不安でたまらなくて夢なら早く覚めてほしいし……剣もあなたの迫力も怖いし、ユニコーンは上から目線だしお腹空いてるし……結婚しようとおもってた男に捨てられるし……怒りたいのはこっちの方なんだんだから!」
怒り心頭で鋭い剣を持ってる男の腕を突き飛ばし私は怒鳴った。
怒りというより本当は泣きたい。
目が潤んで、知らないうちにポロリと大粒の涙が溢れる。すると「かわいそうに」と優しい声で王様は私を包み、長い人差し指で私の涙を触ると、涙は白い真珠に変わってしまった。