目の前でシルフィンが歌って踊ると、お兄さん達もテンションMAXで一糸乱れぬ見事な動きで踊り出す。通りかかった外人さんが「OH!ジャパニーズオタク文化!」と言ってスマホをかざしていた。
「これって?」
「今夜ライブがあるから、そのパフォーマンス」
リアムは普通に答えてくれるけど、アレックスの右腕ともいえる有能な魔女が(それも暗殺系)目の前でキレキレに踊ってる。踊るたびにツィンテールが揺れて可愛いらしい。紺のセーラーカラーの胸元には大きな赤いリボン、チェックのミニスカが踊るたびにフワフワ揺れる。歌も上手いしダンスも上手い。そして可愛い。本当に可愛いから完璧アイドルです。
二曲ほど歌ってからシルフィンは「今夜また会おうねー」って腰の高さで両手を付き出し、可愛くバイバイと手を振って退場してしまった。残されたお兄さん達はシルフィンを見送り、行儀よく静かにその場からサーッと去る。去り際もお見事です。いい物見せてもらった。
見学している人達も散り始め、私はリアムに手を引かれて近寄ると、機材を片付ける騎士団スタッフの横でひとりの男性がスーツ姿の人と名刺交換をしていた。
「ええ……大丈夫ですが……その時間は娘の保育所のお迎えがありますので、時間をずらしていただくとありがたいのですが……」
どこかで聞いた声。
そしてその佇まい。黒のジャケットに白いシャツ。ジーンズ姿の男性は何度も頭を下げて目の前の人と笑顔で話をしながら、目線をずらして私達を見た。
背の高い
優しい癒し系の顔を持つイケメンは……アレックスだった。
あっ……アレックス。何をやってるの?
口をパクパクさせながら見ていたら、アレックスは目の前の男性に「ご迷惑かけます。よろしくお願いいたします」と丁寧に挨拶してから、私達の前にやってきた。
「リナ」アレックスは変わらない笑顔を見せて私にハグをする。
「アレックス!無事でよかった」
「やっと会えたねリナ。遅くなってごめん」
感動の再会だった。嬉しくて涙が出そう。
「リアムに怒られるから離れなきゃ」
アレックスは楽しそうにそう言って、身体を離して私の顔をジッと見つめた。こちらも現代風になってもイケメンには変わらない。短めの金髪は少し前髪が長めの黒髪に変わり、目は茶色ががった黒になる。ユニクロコーデが良く似合っている。
「ここで何をやってたの?」
「仕事」
「仕事って?」
「こーゆーものです」
アレックスは私に薄っぺらい名刺を一枚差し出した。それには【地下劇場 A 支配人 阿連 玖須《あれん くす》】と、書いてあった。
あれん くすさん?いやふざけすぎでしょう!って地下劇場の支配人って?
驚いて顔を見ると「アイドルはひとりしかいないけど、まぁそこそこ儲かってます。今も雑誌の取材が入ったから、これからが楽しみ」ホクホク笑顔で答えてくれた。
なんで?なんでそこ?
あなたは力のある魔法使いで王様でしょう。それこそリアムを早送りでこの世界に転生させた凄い人が……なんで地下劇場の支配人?バチュラーに出れるし、大金持ちの実業家にも、アメリカ大統領にもなれる人がなにそのチョイス!
「これって?」
「今夜ライブがあるから、そのパフォーマンス」
リアムは普通に答えてくれるけど、アレックスの右腕ともいえる有能な魔女が(それも暗殺系)目の前でキレキレに踊ってる。踊るたびにツィンテールが揺れて可愛いらしい。紺のセーラーカラーの胸元には大きな赤いリボン、チェックのミニスカが踊るたびにフワフワ揺れる。歌も上手いしダンスも上手い。そして可愛い。本当に可愛いから完璧アイドルです。
二曲ほど歌ってからシルフィンは「今夜また会おうねー」って腰の高さで両手を付き出し、可愛くバイバイと手を振って退場してしまった。残されたお兄さん達はシルフィンを見送り、行儀よく静かにその場からサーッと去る。去り際もお見事です。いい物見せてもらった。
見学している人達も散り始め、私はリアムに手を引かれて近寄ると、機材を片付ける騎士団スタッフの横でひとりの男性がスーツ姿の人と名刺交換をしていた。
「ええ……大丈夫ですが……その時間は娘の保育所のお迎えがありますので、時間をずらしていただくとありがたいのですが……」
どこかで聞いた声。
そしてその佇まい。黒のジャケットに白いシャツ。ジーンズ姿の男性は何度も頭を下げて目の前の人と笑顔で話をしながら、目線をずらして私達を見た。
背の高い
優しい癒し系の顔を持つイケメンは……アレックスだった。
あっ……アレックス。何をやってるの?
口をパクパクさせながら見ていたら、アレックスは目の前の男性に「ご迷惑かけます。よろしくお願いいたします」と丁寧に挨拶してから、私達の前にやってきた。
「リナ」アレックスは変わらない笑顔を見せて私にハグをする。
「アレックス!無事でよかった」
「やっと会えたねリナ。遅くなってごめん」
感動の再会だった。嬉しくて涙が出そう。
「リアムに怒られるから離れなきゃ」
アレックスは楽しそうにそう言って、身体を離して私の顔をジッと見つめた。こちらも現代風になってもイケメンには変わらない。短めの金髪は少し前髪が長めの黒髪に変わり、目は茶色ががった黒になる。ユニクロコーデが良く似合っている。
「ここで何をやってたの?」
「仕事」
「仕事って?」
「こーゆーものです」
アレックスは私に薄っぺらい名刺を一枚差し出した。それには【地下劇場 A 支配人 阿連 玖須《あれん くす》】と、書いてあった。
あれん くすさん?いやふざけすぎでしょう!って地下劇場の支配人って?
驚いて顔を見ると「アイドルはひとりしかいないけど、まぁそこそこ儲かってます。今も雑誌の取材が入ったから、これからが楽しみ」ホクホク笑顔で答えてくれた。
なんで?なんでそこ?
あなたは力のある魔法使いで王様でしょう。それこそリアムを早送りでこの世界に転生させた凄い人が……なんで地下劇場の支配人?バチュラーに出れるし、大金持ちの実業家にも、アメリカ大統領にもなれる人がなにそのチョイス!