これでダメならごめんなさい。

「リアム。ド派手な結婚式にしようね!」
 私は大きな声で叫び、指輪を剣の先に通しそのまま魔王の心臓めがけて指輪ごと突き刺す!

 すると、ガラス瓶を刃物で引っかいたような不快な音が部屋中に大きく響き、剣を持つ手が熱くなる。
 魔王の身体は火山から吹き出した溶岩のように硬く真っ赤になり、珊瑚の指輪は剣先からその心臓にズルズルと飲み込まれてゆく。どうにかしてその指輪を自分の心臓から出したいのだけど、それができず魔王はもがき苦しんでいた。
「リナ!」
 リアムが私の名前を呼んで駆け寄り、剣をつかむ私の手を上から握って、もっと深く魔王の心臓に剣を差しこんだ。刺された心臓は限界がきたようにその場で爆発し、大きな大きな叫び声が上がって私達は耳をふさいでその場に座り込み、全ての不快な音が終わる頃

 魔王の姿は跡形もなく

 消えていた。