ドキ、と心臓が動いたような気がした。動くというよりも、音が耳に聞こえてくるほど大きかった。心拍数があがる。自分の交感神経が高くなっているのが分かった。
「あしたの、」
『うん』
「朝……は、どうでしょうか」
『うん、俺は何時でもいい』
「あの、」
『うん?』
「いえ、なんでもないです……」
壱成さんと朝早い時間に、駅で会う約束をした。切り終えたスマホを見ていても、胸の動悸が収まらず。私は手のひらで自分の心臓がある場所に手を置いた。
暫くすると動悸は収まり胸の高鳴りは消えた。
だけど、明日の朝会えると思えば、また心臓が動きそうになり。
何も考える前に壱成さんと会う準備をした。
きっと優しい壱成さんはお金を受け取って貰ってくれないと思ったから、封筒に手紙と一緒にお金を入れた。
そこで思いつく。
お母さんたちに気づかれないように学校に置いたままの菓子折を。
明日の朝に会うのに、学校にある菓子折をどうやって渡すのか。本当に自分のバカさに嫌気がさす。……なんのために勉強をしているのか…。
やっぱり明後日の朝と、連絡をしようと思ったけど、夜はもう遅い。それに壱成さんに気を使わせてしまうかもしれない。
ううん、それよりも、明日の朝に会いたいという気持ちが強かった。スマホに伸ばしていた手が止まり、──明日、お金を返して。
そしてまた約束をして菓子折を渡そう。そう決めてその日は眠りについた。
「あしたの、」
『うん』
「朝……は、どうでしょうか」
『うん、俺は何時でもいい』
「あの、」
『うん?』
「いえ、なんでもないです……」
壱成さんと朝早い時間に、駅で会う約束をした。切り終えたスマホを見ていても、胸の動悸が収まらず。私は手のひらで自分の心臓がある場所に手を置いた。
暫くすると動悸は収まり胸の高鳴りは消えた。
だけど、明日の朝会えると思えば、また心臓が動きそうになり。
何も考える前に壱成さんと会う準備をした。
きっと優しい壱成さんはお金を受け取って貰ってくれないと思ったから、封筒に手紙と一緒にお金を入れた。
そこで思いつく。
お母さんたちに気づかれないように学校に置いたままの菓子折を。
明日の朝に会うのに、学校にある菓子折をどうやって渡すのか。本当に自分のバカさに嫌気がさす。……なんのために勉強をしているのか…。
やっぱり明後日の朝と、連絡をしようと思ったけど、夜はもう遅い。それに壱成さんに気を使わせてしまうかもしれない。
ううん、それよりも、明日の朝に会いたいという気持ちが強かった。スマホに伸ばしていた手が止まり、──明日、お金を返して。
そしてまた約束をして菓子折を渡そう。そう決めてその日は眠りについた。