背丈も前世の十六歳当時だった頃と同じだったから、同年齢の男子生徒よりは少し高めだった。素の口調がつっけんどんで荒々しいのも変わっていない。

 前世ではリチャードという名前で、愛称はリッキーだった。

 今の『リキ』という名前についても、なんかそのまんまだなと笑えた。

 前世の記憶があるからといって、何か得をしたり優位になるだとかいうことはなかった。まず文明が違うし、暮らしも全然異なっている。
 何より、理樹は前世がああだったからといって、そこに結びつくような目標だったり、夢だったりを掲げることもなかった。

 つまり、今となっては、全く関係がない話なのだ。

 理樹のひとまずの目的は、高校生活を楽しむことである。両親の望む国立の大学に合格することを条件に、高校までは好きな学校に行かせてもらえることになっていたから、初めての一人暮らしと三年間の高校生活を満喫する予定だ。